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著者: かぶてぃー|公開: 2026年7月22日|更新: 2026年7月22日

ナフサ不足で包装材高騰、スーパー株価に何が起きているか——日本製紙・大日本印刷への影響も

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日本経済新聞が2026年7月18日に報じたところによると、2月期決算の上場小売り65社の2026年3〜5月期集計で、スーパーだけが業態別で唯一の営業減益となりました。生鮮食品や総菜に使うトレーやパックの値上がりが主因で、営業利益の減少幅は約15%に達します。食品容器大手のエフピコは2026年6月1日出荷分から全製品を20%以上値上げすると東洋経済オンライン(2026年5月14日)が報じており、TOPPANホールディングスも包装資材の仕入れ値が2〜3割増加しているとして顧客への値上げ打診を4月21日以降に開始すると日本経済新聞(2026年4月15日)が伝えています。国民生活産業・消費者団体連合会が2026年4月27日に実施した712社の緊急調査では、食品・飲料メーカーの約4割がすでにナフサ不足の打撃を受けていると回答しました。

ナフサ不足に伴う包装材コスト上昇で食品スーパーの2026年3〜5月期営業利益が約15%減少し、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)などへの収益圧迫リスクが高まる一方、紙系代替包装への需要シフトが加速することで日本製紙(3863)には構造的な追い風が生じる可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もしナフサ不足が深刻化した場合、包装材コストが急騰し続け、スーパーの収益圧迫が加速する

直接影響を受けるセクター

食品・消費財・小売

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    ナフサ不足

    石化原料供給逼迫の開始

  2. 2
    プラスチック・紙製包装材高騰

    ポリスチレン・段ボール原価上昇

  3. 3
    スーパー営業益15%減

    生鮮・総菜パック費用の急増

  4. 4
    代替材料への投資加速

    バイオプラ・紙系パッケージング需要増

  5. 5
    包装材製造装置の更新需要

    新素材対応のFA・成形機導入

  6. 6
    流通効率化への圧力

    コスト削減・自動化による需要波及

  7. 7
    素材・機械・物流セクター連鎖

    サプライチェーン再構築の加速

ナフサ高騰で包装材コストはなぜスーパー株価を直撃するのか

2026年2月の中東情勢の緊迫化をきっかけに、ナフサのスポット価格は2月末比で約60%上昇し、4月時点で1トンあたり917ドル超という水準が続いています(ナフサ・クライシス2026特集 プラスチックパレット株式会社 2026年7月4日更新)。ナフサはポリスチレンやポリエチレンなどプラスチック系包装材の基幹原料であり、価格が上昇すると食品トレー・ラップ・パックのコストが直接押し上げられます。

帝国データバンクが2026年5月30日に公表した主要食品メーカー195社の調査では、値上げ要因として「包装資材」を挙げた企業が7割に達し、2023年の集計開始以来で最高比率を記録しました。北海道の食品関連業者では4割近く値上がりした包装資材があり、メーカーが発注量に上限を設けるケースも出ています(北海道新聞デジタル)。こうしたコスト増が川下の食品スーパーに集中するのは、生鮮・総菜という業態の特性上、包装工程を省略できないからです。

日本経済新聞(2026年7月18日)によると、2月期決算の上場小売り65社の2026年3〜5月期集計で、スーパーだけが業態別唯一の営業減益となりました。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)は26年2月期に営業収益9637億円(前期比18.8%増)と規模拡大を続けているものの、コスト圧力が利益を削り株価の重荷になっています。ライフコーポレーション(8194)も同期に営業収益8813億円(同3.6%増)を確保しながら、包装資材コストの吸収がPL上の課題として残ります。米国でも食品スーパー大手のKROGER CO(KR)は同様のコスト構造を抱えており、石化原料高が収益性を圧迫します。

包装材コスト上昇の恩恵を受ける関連銘柄——日本製紙・大日本印刷の動き

プラスチック系包装材のコストが構造的に上昇する局面では、紙系・機能性フィルム系の代替素材への需要シフトが加速します。日本製紙(3863)はクラフト紙・紙パック・バリア包装紙など広範な紙系包装ラインナップを持ち、食品メーカーがプラ代替を検討する際の主要サプライヤーに位置します。大日本印刷(7912)は機能性フィルムや紙ベースのコンポジット包装材で食品向け事業を展開しており、TOPPANホールディングスと並んで国内包装材市場の二大勢力として需要取り込みに動いています。

住友ベークライト(4203)は医療・食品向け高機能プラスチックの分野でバイオ系・非化石原料系素材の研究開発を進めており、代替素材への切り替え需要が本格化した際に製品ポートフォリオが直接対応します。また、Sealed Air(SEE)は食品向け真空・ガス置換包装システムで世界的な供給実績を持ち、スーパーの鮮度保持コスト最適化ニーズと合致します。

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見落とされやすい製造装置・ニッチ素材への影響

代替包装材への切り替えが加速するとき、製造ラインの更新需要も同時に動きます。新素材対応の成形機・FA設備の導入は素材メーカーだけでなく、機械・装置セクターにも波及する構造があります。日本フイルコン(5942)は製紙・食品包装向けフィルターネット・成形ワイヤーでニッチな市場シェアを持ち、紙系包装材の生産量が増加する局面では自社製品の交換・増設需要が生じます。

LyondellBasell Industries(LYB)はポリプロピレン・ポリエチレンの世界大手として、ナフサ高騰下では原料調達コストが上昇し、製品マージンの縮小が直接の打撃となります。原料価格の高止まりが長引くほど、化石由来プラスチック依存の川中メーカーは競争上の不利を背負います。カルビーが2026年5月25日からパッケージを白黒デザインへ切り替えた事例(東洋経済オンライン 2026年5月14日)は、企業がコスト削減のために包装の仕様そのものを変える局面に入ったことを示しており、この圧力は食品スーパーのプライベートブランド商品にも同様に及びます。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

日本製紙3863

根拠日本製紙はクラフト紙・紙パック・バリア包装紙など紙系包装材の広範なラインナップを持ち、食品メーカーがプラスチック代替を検討する際の主要サプライヤーに位置します。帝国データバンクの調査で食品メーカーの7割が包装資材コストを値上げ要因に挙げた局面では、紙系代替素材への需要シフトが加速し、同社の包装向け製品の受注量が増加します。ナフサ高騰でプラ包装コストが構造的に上昇するほど、紙系包装への切り替え引き合いが強まり、販売数量・単価の両面で収益改善が進みます。
経路ナフサ高騰によるプラ包装コスト急上昇(2月末比約60%上昇)食品メーカーの紙系代替素材需要シフト加速(帝国DB調査で値上げ要因7割が包装資材)日本製紙のクラフト紙・バリア包装紙の受注増・販売単価上昇

大日本印刷7912

根拠大日本印刷は機能性フィルムや紙ベースのコンポジット包装材で食品向け事業を展開し、TOPPANホールディングスと並んで国内包装材市場の二大勢力に位置します。TOPPANが包装資材の仕入れ値2〜3割増を受けて顧客への値上げ打診を開始した局面は、同社も同様の価格転嫁余地が生じていることを示します。プラスチック系包装から紙・機能性フィルム系へのシフト需要が拡大する中、同社の高付加価値包装材の販売機会が増加し、売上高と利益率の両方が改善します。
経路プラ系包装材コスト急騰(ナフサ917ドル超)食品向け機能性フィルム・紙コンポジット包装への代替需要拡大(国内二大勢力として需要取り込み)大日本印刷の食品包装事業の売上増・価格転嫁による利益率改善

住友ベークライト4203

根拠住友ベークライトは医療・食品向け高機能プラスチックの分野でバイオ系・非化石原料系素材の研究開発を進めており、ナフサ高騰で化石由来プラスチックのコスト競争力が低下する局面において同社の代替素材ポートフォリオの競争優位性が直接高まります。食品・飲料メーカーの4割がすでにナフサ不足の打撃を受けている状況では、非化石原料系素材への切り替え検討が本格化し、同社への開発・採用打診が増加します。代替素材の量産移行が進むほど、既存の高機能プラ製品に加えた新規売上が積み上がります。
経路ナフサ高騰による化石由来プラスチックコスト急増(食品メーカー4割が打撃受認)バイオ系・非化石原料系代替素材への切り替え需要本格化住友ベークライトの代替素材製品ポートフォリオへの引き合い増加・量産移行による売上拡大

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

SEALED AIR CORP/DESEE

根拠Sealed Airは食品向け真空・ガス置換包装システムで世界的な供給実績を持ち、スーパーの鮮度保持ニーズに対してプラスチックトレーに依存しない包装ソリューションを提供します。包装資材コストが高騰し食品スーパーが包装工程のコスト最適化を迫られる局面では、廃棄ロス削減と鮮度延長を同時に実現する同社システムの採用優位性が高まります。真空・ガス置換技術は使用フィルム量を削減しながら保存期間を延ばすため、トレーやラップのコスト上昇を相殺する代替手段として食品スーパー・食品メーカー双方からの引き合いが増加します。
経路包装資材コスト急騰(食品メーカーの4割がナフサ不足の打撃を受認)食品スーパー・メーカーによるコスト最適化ニーズ急増(廃棄ロス削減・使用量圧縮)Sealed Airの真空・ガス置換包装システムの採用拡大・装置販売および消耗材需要増加
意外な波及

日本フイルコン5942

根拠日本フイルコンは製紙・食品包装向けフィルターネット・成形ワイヤーでニッチな市場シェアを持ち、紙系包装材の生産量増加に直結する製造消耗部材を供給します。ナフサ高騰を起点とした代替包装材シフトで紙系包装材の生産ラインが増強・高稼働する局面では、成形ワイヤーの摩耗交換サイクルが短縮され、同社製品の交換・増設需要が生じます。紙系包装材メーカーが設備稼働率を引き上げるほど同社のニッチ部材需要は比例的に拡大し、売上高の増加が生じます。
経路ナフサ高騰紙系包装材生産量の増加(日本製紙等のライン増強・高稼働)日本フイルコンの成形ワイヤー・フィルターネットの交換・増設需要増加(ニッチシェア保有により競合代替困難)

打撃を受ける可能性がある企業

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス3222

根拠ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは26年2月期に営業収益9637億円(前期比18.8%増)と規模拡大を続けていますが、生鮮・総菜の業態特性上、食品トレー・ラップ・パックの包装工程を省略できず、包装資材コスト上昇がPLに直接転嫁されます。日経報道でスーパーのみが業態別唯一の営業減益となった構造は同社にも該当し、エフピコが全製品を20%以上値上げした局面では仕入れコストが一段と上昇します。規模拡大による収益改善効果が包装資材コスト増に相殺され、株価の重荷が続きます。
経路ナフサ高騰食品トレー・ラップ等の包装資材コスト急騰(エフピコ全製品20%以上値上げ)生鮮・総菜主体の業態として包装工程省略不可ユナイテッドSMHDの営業利益圧迫・株価低迷

ライフコーポレーション8194

根拠ライフコーポレーションは26年2月期に営業収益8813億円(前期比3.6%増)、営業利益260億円(同2.9%増)を確保しましたが、生鮮・総菜の包装工程が事業の根幹にあり、包装資材コストの上昇を販売価格に完全転嫁することが困難な構造にあります。帝国データバンク調査で食品メーカーの7割が包装資材を値上げ要因に挙げた局面では、同社への納入コストが連動して上昇し、営業利益率をさらに圧縮します。スーパー業態のみが業態別で唯一営業減益となった市場環境では、同社も同じコスト構造の打撃を受けます。
経路ナフサ高騰包装資材仕入れコスト急騰(北海道では4割近い値上がりも発生)生鮮・総菜の包装工程省略不可・価格転嫁困難ライフコーポレーションの営業利益率低下

KROGER COKR

根拠KROGERは米国最大級の食品スーパーチェーンであり、生鮮・総菜・デリカテッセン部門で大量の食品トレー・真空包装材・ラップを使用するため、ナフサ高騰によるプラ系包装材コスト上昇が収益性を直接圧迫します。米国でもポリエチレン・ポリプロピレン系包装材の原料はナフサ連動であり、国際スポット価格の高止まりが調達コストに波及します。包装資材コストの転嫁が難しい競争環境下では、グロスマージンの縮小が継続し、EPS予想の下方修正圧力が生じます。
経路ナフサ国際スポット価格高騰(917ドル超)米国プラ系包装材コスト上昇食品スーパー業態として包装工程省略不可・価格転嫁困難KROGERのグロスマージン縮小・EPS圧迫

LyondellBasell Industries N.V.LYB

根拠LyondellBasellはポリプロピレン・ポリエチレンの世界大手であり、ナフサを主要原料として製品を製造するため、ナフサスポット価格が2月末比約60%上昇した局面では原料調達コストが直接かつ大幅に上昇します。原料高を製品価格に転嫁できない期間は製品マージンが縮小し、稼働率の引き下げや在庫評価損が発生します。さらに化石由来プラスチックへの代替需要シフトが進むことで需要量自体も縮小し、コスト増と販売量減の二重の打撃を受けます。
経路ナフサスポット価格急騰(2月末比60%上昇・917ドル超)LyondellBasellのポリプロピレン・ポリエチレン製造コスト急増(原料ナフサ依存)製品マージン縮小・代替素材シフトによる販売量減少収益性の二重悪化
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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