ナフサ不足で包装材高騰、スーパー株価に何が起きているか——日本製紙・大日本印刷への影響も
日本経済新聞が2026年7月18日に報じたところによると、2月期決算の上場小売り65社の2026年3〜5月期集計で、スーパーだけが業態別で唯一の営業減益となりました。生鮮食品や総菜に使うトレーやパックの値上がりが主因で、営業利益の減少幅は約15%に達します。食品容器大手のエフピコは2026年6月1日出荷分から全製品を20%以上値上げすると東洋経済オンライン(2026年5月14日)が報じており、TOPPANホールディングスも包装資材の仕入れ値が2〜3割増加しているとして顧客への値上げ打診を4月21日以降に開始すると日本経済新聞(2026年4月15日)が伝えています。国民生活産業・消費者団体連合会が2026年4月27日に実施した712社の緊急調査では、食品・飲料メーカーの約4割がすでにナフサ不足の打撃を受けていると回答しました。
ナフサ不足に伴う包装材コスト上昇で食品スーパーの2026年3〜5月期営業利益が約15%減少し、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)などへの収益圧迫リスクが高まる一方、紙系代替包装への需要シフトが加速することで日本製紙(3863)には構造的な追い風が生じる可能性があります。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もしナフサ不足が深刻化した場合、包装材コストが急騰し続け、スーパーの収益圧迫が加速する
直接影響を受けるセクター
食品・消費財・小売AIが連想した波及の流れ
- 1ナフサ不足
石化原料供給逼迫の開始
- 2プラスチック・紙製包装材高騰
ポリスチレン・段ボール原価上昇
- 3スーパー営業益15%減
生鮮・総菜パック費用の急増
- 4代替材料への投資加速
バイオプラ・紙系パッケージング需要増
- 5包装材製造装置の更新需要
新素材対応のFA・成形機導入
- 6流通効率化への圧力
コスト削減・自動化による需要波及
- 7素材・機械・物流セクター連鎖
サプライチェーン再構築の加速
ナフサ高騰で包装材コストはなぜスーパー株価を直撃するのか
2026年2月の中東情勢の緊迫化をきっかけに、ナフサのスポット価格は2月末比で約60%上昇し、4月時点で1トンあたり917ドル超という水準が続いています(ナフサ・クライシス2026特集 プラスチックパレット株式会社 2026年7月4日更新)。ナフサはポリスチレンやポリエチレンなどプラスチック系包装材の基幹原料であり、価格が上昇すると食品トレー・ラップ・パックのコストが直接押し上げられます。
帝国データバンクが2026年5月30日に公表した主要食品メーカー195社の調査では、値上げ要因として「包装資材」を挙げた企業が7割に達し、2023年の集計開始以来で最高比率を記録しました。北海道の食品関連業者では4割近く値上がりした包装資材があり、メーカーが発注量に上限を設けるケースも出ています(北海道新聞デジタル)。こうしたコスト増が川下の食品スーパーに集中するのは、生鮮・総菜という業態の特性上、包装工程を省略できないからです。
日本経済新聞(2026年7月18日)によると、2月期決算の上場小売り65社の2026年3〜5月期集計で、スーパーだけが業態別唯一の営業減益となりました。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)は26年2月期に営業収益9637億円(前期比18.8%増)と規模拡大を続けているものの、コスト圧力が利益を削り株価の重荷になっています。ライフコーポレーション(8194)も同期に営業収益8813億円(同3.6%増)を確保しながら、包装資材コストの吸収がPL上の課題として残ります。米国でも食品スーパー大手のKROGER CO(KR)は同様のコスト構造を抱えており、石化原料高が収益性を圧迫します。
包装材コスト上昇の恩恵を受ける関連銘柄——日本製紙・大日本印刷の動き
プラスチック系包装材のコストが構造的に上昇する局面では、紙系・機能性フィルム系の代替素材への需要シフトが加速します。日本製紙(3863)はクラフト紙・紙パック・バリア包装紙など広範な紙系包装ラインナップを持ち、食品メーカーがプラ代替を検討する際の主要サプライヤーに位置します。大日本印刷(7912)は機能性フィルムや紙ベースのコンポジット包装材で食品向け事業を展開しており、TOPPANホールディングスと並んで国内包装材市場の二大勢力として需要取り込みに動いています。
住友ベークライト(4203)は医療・食品向け高機能プラスチックの分野でバイオ系・非化石原料系素材の研究開発を進めており、代替素材への切り替え需要が本格化した際に製品ポートフォリオが直接対応します。また、Sealed Air(SEE)は食品向け真空・ガス置換包装システムで世界的な供給実績を持ち、スーパーの鮮度保持コスト最適化ニーズと合致します。
見落とされやすい製造装置・ニッチ素材への影響
代替包装材への切り替えが加速するとき、製造ラインの更新需要も同時に動きます。新素材対応の成形機・FA設備の導入は素材メーカーだけでなく、機械・装置セクターにも波及する構造があります。日本フイルコン(5942)は製紙・食品包装向けフィルターネット・成形ワイヤーでニッチな市場シェアを持ち、紙系包装材の生産量が増加する局面では自社製品の交換・増設需要が生じます。
LyondellBasell Industries(LYB)はポリプロピレン・ポリエチレンの世界大手として、ナフサ高騰下では原料調達コストが上昇し、製品マージンの縮小が直接の打撃となります。原料価格の高止まりが長引くほど、化石由来プラスチック依存の川中メーカーは競争上の不利を背負います。カルビーが2026年5月25日からパッケージを白黒デザインへ切り替えた事例(東洋経済オンライン 2026年5月14日)は、企業がコスト削減のために包装の仕様そのものを変える局面に入ったことを示しており、この圧力は食品スーパーのプライベートブランド商品にも同様に及びます。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
日本製紙(3863)
大日本印刷(7912)
住友ベークライト(4203)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
SEALED AIR CORP/DE(SEE)
日本フイルコン(5942)
打撃を受ける可能性がある企業
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)
ライフコーポレーション(8194)
KROGER CO(KR)
LyondellBasell Industries N.V.(LYB)
Chainvest
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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