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著者: かぶてぃー|公開: 2026年9月7日|更新: 2026年9月7日

東芝・信越化学のペロブスカイト太陽電池 寿命1.5倍が関連銘柄に与える影響

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東芝と信越化学工業(4063)は新潟大学と連携し、耐久性能を先行品の1.5倍に高めたペロブスカイト太陽電池を開発したと、日本経済新聞が2026年9月7日に報じました。東芝が発電部分を担当し、信越化学工業が封止材の製造を担う役割分担で、新潟大学が封止技術の開発を主導しています。現時点で世界最高水準とされ、2030年代の製品販売を目指しています。シリコン太陽電池とペロブスカイト太陽電池を組み合わせるタンデム型の技術が軸となっており、中国勢が先行する量産技術に対し耐久性能で対抗する戦略です。

東芝・信越化学工業(4063)による耐久性1.5倍のペロブスカイト太陽電池開発で、封止材と製造装置を手がける関連銘柄への恩恵が見込まれる一方、従来型シリコン太陽電池向けガラスに依存する日本板硝子(5202)は需要シフトのリスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

耐久性で優位を獲得した日本製ペロブスカイト電池が2030年代に限定的に市場投入され、中国と共存する市場構造が固定化する。

直接影響を受けるセクター

素材・化学

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    ペロブスカイト電池実用化

    耐久性1.5倍達成で2030年代製品化へ

  2. 2
    太陽電池製造装置需要増加

    量産体制構築に向け装置投資加速

  3. 3
    半導体・電子部品セクターへ波及

    装置メーカーが検査・制御システム調達

  4. 4
    製造拠点・プラント建設

    国内回帰・地産地消で建設・設備需要

  5. 5
    電力・エネルギー業界への影響

    再生可能エネルギー比率上昇で買取需要

ペロブスカイト太陽電池 普及で変わる素材・封止材の需要構造

日本経済新聞が2026年9月7日に報じた東芝・信越化学工業の共同開発は、ペロブスカイト太陽電池市場における日本勢の耐久性戦略を鮮明にしました。封止材は電池内部への水分・酸素の侵入を防ぐ機能を持ち、寿命を決定づける要素です。信越化学工業(4063)はシリコーンや機能材料に強みを持ち、今回の開発で封止材製造を担っています。信越化学工業の2027年3月期第1四半期は売上高6,624億円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,738億円(同4.2%増)と増収増益基調にあり、ペロブスカイト関連の量産需要が加われば機能材料事業のさらなる押し上げ要因となります。

積水化学工業(4204)も同分野で先行しており、2025年の事業化を目標に耐久20年のペロブスカイト太陽電池開発を進めてきた実績があります。ソラチクBLOGによると2026年現在、積水化学や東芝などの先行企業はすでに限定的な商用出荷を開始しており、本格普及は2028〜2030年頃と見込まれています。フィルム型という形状特性を活かした建材一体型製品が中心で、封止フィルム分野での需要拡大が期待されます。

一方、既存のシリコン太陽電池パネル向けガラスを手がける日本板硝子(5202)には需要シフトの構造があります。ペロブスカイト電池はフィルム型・軽量型が主流となるため、ガラス基板を前提とした製品ラインナップへの依存度が高いほど、代替リスクが大きくなります。日本板硝子の建築用ガラス事業は太陽電池パネル用ガラスも手がけており、技術転換の速度次第で既存事業への圧力が生じます。同様に、PVB(ポリビニルブチラール)フィルムなどシリコン系パネル向け中間膜に収益を依存するクラレ(3405)と三菱ケミカルグループ(4188)も、採用素材の変化による影響を受ける構造にあります。

ペロブスカイト太陽電池 関連銘柄として見落とされやすい製造装置と原料企業

量産体制の構築には製造装置への大規模投資が不可欠です。平田機工(6258)は電子部品・電池の組み立て・検査装置に強みを持ち、ペロブスカイト電池の量産ライン構築においても装置需要の取り込みが期待されます。アイシンが2026年8月6日にNEDOグリーンイノベーション基金で「薄ガラス型軽量ペロブスカイト太陽電池の量産技術確立と社会実証」事業を採択されたように、国内での量産投資が具体的な規模(約156億円)で動き始めており、製造装置メーカーへの発注が連鎖する構造があります。

意外性の高い恩恵先として注目されるのが日本精蝋(5010)です。ペロブスカイト電池の封止・保護工程では特定のワックス系素材が使用される場面があり、ニッチな素材シェアを持つ企業が製造歩留まりを左右する役割を担います。川下の完成品が注目されるなかで、こうした素材の専門メーカーは競合が少ない分、採用が決まれば収益インパクトが大きくなります。

もう一つ重要なのが原料ヨウ素です。Japan Energy Timesが2026年6月2日に報じたデータによると、ペロブスカイト太陽電池の主要原料であるヨウ素は千葉県が日本の約80%を産出し、日本全体では世界生産シェアの約30%を占めます。国内生産に立脚したサプライチェーンが構築されれば、ヨウ素調達・精製に関わる素材・化学企業のポジションが上昇します。古河電気工業(5801)はケーブルや電線素材で太陽光発電インフラとの接点を持ちますが、ペロブスカイト電池がフィルム型・建材一体型へシフトするほど、従来型の架台・配線設備需要の比率が変化し、対応が求められる構造となります。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

信越化学工業4063

根拠信越化学工業は東芝・新潟大学との共同開発で耐久性を先行品比1.5倍に高めたペロブスカイト太陽電池向け封止材の製造を担います。同社の機能材料事業はシリコーンやセルロース誘導体を軸とし、封止材分野との親和性が高い製品群を有します。2027年3月期第1四半期は売上高6,624億円(前年同期比5.4%増)・営業利益1,738億円(同4.2%増)と増収増益基調にあり、量産需要の本格化が機能材料事業の売上をさらに押し上げます。
経路封止材の量産採用決定(耐久性世界最高水準が評価基準に)機能材料事業の受注量拡大(シリコーン系封止材の出荷増)セグメント売上・利益率の上昇(既存量産インフラを活用したスケールメリット)

積水化学工業4204

根拠積水化学工業は耐久20年を目標としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発を先行させており、2026年現在すでに限定的な商用出荷を開始しています。同社の強みである封止フィルム技術は建材一体型(BIPV)製品に直結し、2028〜2030年の本格普及フェーズで量産出荷が加速します。フィルム型の形状特性上、積水化学の既存フィルム製造ラインが高稼働率で稼働し、売上規模の拡大が見込まれます。
経路商用出荷開始(先行企業ポジション確立)建材一体型BIPVへの封止フィルム採用拡大(2028〜2030年本格普及)フィルム事業の売上・収益拡大(既存製造ライン高稼働)

平田機工6258

根拠平田機工は電子部品・電池向け組み立て・検査装置を主力とし、ペロブスカイト太陽電池の量産ライン構築に必要な工程自動化装置の供給先候補として直接的な接点を持ちます。アイシンがNEDOグリーンイノベーション基金で約156億円規模の「薄ガラス型軽量ペロブスカイト太陽電池の量産技術確立と社会実証」事業を採択(2026〜2030年度)しており、国内量産投資が具体化する中で製造装置メーカーへの発注が連鎖します。量産投資の本格化により装置受注が積み上がります。
経路国内量産投資の具体化(NEDO事業採択・156億円規模)電池組み立て・検査装置の発注増加(平田機工の得意工程に合致)装置受注残高拡大と売上計上加速(2026〜2030年の事業期間)

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

日本精蝋5010

根拠日本精蝋はワックス系素材の国内ニッチトップメーカーであり、ペロブスカイト太陽電池の封止・保護工程で使用される特定のワックス系材料の供給元として競合が極めて少ないポジションを持ちます。競合が限定されるニッチ市場では、一度採用が確定すれば代替が困難となり、製造歩留まりを左右する役割を担います。量産ライン普及に伴い当該素材の発注量が増加し、小規模な売上増でも利益率の高い収益インパクトが生じます。
経路ペロブスカイト量産ライン拡張(封止・保護工程での素材需要増加)ニッチワックス系素材の採用固定化(競合少数・スイッチングコスト高)受注単価維持のまま出荷量増加(利益率の高い収益拡大)

打撃を受ける可能性がある企業

日本板硝子5202

根拠日本板硝子の建築用ガラス事業はシリコン系太陽電池パネル向けガラスを手がけており、ペロブスカイト電池のフィルム型・軽量型への主流シフトが進むと、ガラス基板を前提とした製品ラインへの需要が構造的に縮小します。2027年3月期第1四半期は売上高2,463億円(前年同期比17.2%増)と自動車用ガラス中心の増収基調にありますが、太陽電池向け建築ガラスセグメントは代替リスクにさらされ、同事業の中長期的な成長余地が圧迫されます。
経路ペロブスカイト電池のフィルム型主流化(ガラス基板不要の構造へ)太陽電池パネル向け建築ガラスの需要減少(代替リスク顕在化)建築用ガラス事業の売上・利益率の低下圧力

クラレ3405

根拠クラレはPVB(ポリビニルブチラール)フィルムなどシリコン系太陽電池パネル向け中間膜を収益柱の一つとしており、ペロブスカイト電池の普及によりシリコン系パネルの新規導入量が減少すると、PVBフィルムの出荷数量が減少します。ペロブスカイト電池の封止材はシリコーン系・樹脂系フィルムが採用される構造であり、PVBの用途代替が直接的に生じます。シリコン系パネル市場の縮小速度が速いほど、クラレの中間膜事業の収益が押し下げられます。
経路ペロブスカイト電池の普及加速(シリコン系パネルの新規需要縮小)PVB中間膜の出荷数量減少(用途代替が直接発生)中間膜事業の売上・収益の低下

三菱ケミカルグループ4188

根拠三菱ケミカルグループはシリコン系太陽電池パネル向け封止材・中間膜素材を手がけており、ペロブスカイト電池の普及でシリコン系パネルへの新規投資が減少すると、同社の既存封止材製品の需要が低下します。ペロブスカイト電池の封止材には信越化学工業製のシリコーン系素材が採用される構造となっており、既存の素材シェアが競合他社へ移行します。採用素材の変化が確定するほど、三菱ケミカルの同分野の売上規模が縮小します。
経路ペロブスカイト電池への技術移行(封止材の採用素材がシリコーン系へシフト)シリコン系パネル向け封止材・中間膜の市場縮小(既存シェアが競合へ移行)機能性化学品セグメントの売上・利益率の低下

古河電気工業5801

根拠古河電気工業はケーブル・電線素材で太陽光発電インフラとの接点を持ちますが、ペロブスカイト電池がフィルム型・建材一体型(BIPV)へシフトするほど、従来型の架台設置・地上配線設備向けの電線・ケーブル需要の比率が低下します。BIPVは建物躯体に直接統合される形態のため、大規模架台システムを前提とした配線工事量が減少し、古河電工の太陽光向け電線・ケーブルの出荷量が縮小します。
経路ペロブスカイト電池のBIPV普及(架台設置型から建材一体型へのシフト)太陽光向け架台・地上配線用電線ケーブルの需要減少(設置形態の変化)エネルギーインフラ向け電線事業の出荷量・売上の低下
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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