2027年銅供給不足による関連銘柄への影響|三菱マテリアル・古河電気工業・住友電気工業
国際銅研究会(ICSG)は2026年4月23日、2027年の銅市場が37万7,000トンの供給過剰になるとの予測を公表しています(JOGMEC 2026年5月14日)。一方、住友商事グローバルリサーチは2025年12月、供給不足の予測が主流であり、▲150〜▲400ktとする見方が複数のアナリストから示されていると報告しています(住友商事グローバルリサーチ 2025年12月)。フリーポート・マクモラン(FCX)が運営するグラスバーグ鉱山は2025年9月の泥流災害により、2026年末までに世界供給から約52万5,000〜59万1,000トンが除外される見通しです(Benzinga Japan 2025年10月3日)。Forbes Japanは2025年11月、大規模新規鉱山の操業がなければ2020年代後半に年間200万〜400万トンの不足に直面する可能性があると報じています(Forbes JAPAN 2025年11月3日)。
銅の供給不足シナリオが現実味を帯びるなか、国内トップシェアの伸銅品事業を持つ三菱マテリアル(5711)への恩恵が見込まれる一方、銅を大量調達する住友電気工業(5802)や大成建設(1801)はコスト上昇リスクを抱えます。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もし主要鉱山の減産が加速した場合、2027年までに供給危機が深刻化し産業全体で調達難が続く
直接影響を受けるセクター
素材・化学AIが連想した波及の流れ
- 1銅価格上昇
主要鉱山減産で供給危機深刻化
- 2素材・化学セクター収益分化
供給側有利vs調達困難で明暗分化
- 3建設・工事工期延伸
銅調達難で建設資材供給制約発生
- 4電力インフラ投資遅延
工期延伸で大規模プロジェクト後ずれ
- 5再生可能エネルギー施工遅延
風力・太陽光発電の銅配線納期延伸
- 6EV充電インフラ整備停滞
銅線・銅管の供給逼迫で施工計画変更
- 7データセンター冷却遅延
銅配管の高温対応製品に需要シフト
銅価格上昇で2027年に向けて何が変わるか
需給予測の機関間の差異が大きい点が、銅市場の難しさです。ICSGは2026年4月23日に2027年は37万7,000トンの供給過剰と予測する一方、住友商事グローバルリサーチは2025年12月に▲150〜▲400ktの供給不足シナリオが主流だと整理しています。この乖離は、二次銅(スクラップ由来)の回収増加をどう見積もるかで生じています。金属フォーカスは2026年5月に、二次銅の重要性が急速に高まり供給構造が転換しつつあると報告しており、精錬一次銅だけで需給を語れない局面に入っています。
バンク・オブ・アメリカは2027年に1トンあたり1万3,501ドルへの上昇を予測しており(Benzinga Japan 2025年10月3日)、この水準は鉱山側には追い風、製造・建設側には原価圧迫を直接もたらします。供給サイドでは鉱床の低品位化や奥地化・深部化による開発コスト高騰も進行しており、新規鉱山の立ち上がりが遅れるほど調達競争は激化します(ダイヤモンド・ザイ 2026年5月19日)。
銅価格上昇の恩恵銘柄と打撃銘柄——関連銘柄への影響
供給側に立つ企業とユーザー側に立つ企業で明暗が分かれます。三菱マテリアル(5711)は国内トップシェアの伸銅品事業を持ち(三菱マテリアル公式サイト)、銅価格の上昇は製品価格への転嫁余地を広げます。古河電気工業(5801)とフジクラ(5803)は電力ケーブル・通信ケーブルで銅を主原料としますが、長期契約による価格転嫁の仕組みを持つため、価格上昇局面では在庫評価益も生じます。特殊銅合金線材を手がける日本精線(5659)は、高機能製品へのシフトが進む局面で競合の少ないニッチ市場を持ちます。
一方、世界最大級の銅鉱山運営企業であるFREEPORT-MCMORAN(FCX)は、供給制約が深刻化するほど保有鉱山の価値が高まる構造があります。ただし、グラスバーグ鉱山の泥流被害で示されたように、オペレーショナルリスクが業績を直撃します。三井物産(8031)はチリのコジャワシ銅鉱山などに権益参画しており、銅価格上昇は資源セグメントに追い風となりますが、調達商社としての側面では取引先企業のコスト環境が悪化するリスクも抱えます。
住友電気工業(5802)は電線・ハーネスで膨大な銅を調達します。調達コストが上昇しても完成品への価格転嫁が遅れると、スプレッドが圧縮される構造があります。大成建設(1801)は大型建設プロジェクトで電気設備・配管に銅を大量使用し、資材調達難が工期遅延とコスト超過を同時にもたらします。
見落とされやすい影響先——データセンター冷却・再エネ施工への銅不足の波及
個人投資家が見落としやすいのは、銅線・銅管の調達難が施工スケジュールを変える領域です。データセンターの冷却設備は高温対応の銅製配管を多用するため、供給が逼迫すると設備稼働の開始時期そのものがずれ込みます。大林組(1802)のような大手ゼネコンが受注するデータセンター建設案件では、電気・設備工事の資材手配が工程の律速となる場面が生じます。
さらに、風力・太陽光発電の銅配線の納期延伸は、再生可能エネルギー事業者の系統連系スケジュールを直撃します。NEXTERA ENERGY(NEE)のような再エネ大手が2027年稼働を目指すプロジェクトでは、銅ケーブルの調達ラグが収益計上の後ずれに直結します。EV充電インフラの整備も銅線の逼迫と無縁ではなく、充電器の設置工事に必要な幹線ケーブルの供給制約が計画を変更させる事例が国内外で報告されています。住友商事グローバルリサーチが2025年12月に指摘したように、銅はすでに「コモディティ」から「戦略資源」の位置づけへと移行しており、調達戦略の優劣が企業競争力を決める時代に入っています(住友商事グローバルリサーチ 2025年12月)。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
三菱マテリアル(5711)
古河電気工業(5801)
大林組(1802)
フジクラ(5803)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
FREEPORT-MCMORAN INC(FCX)
日本精線(5659)
打撃を受ける可能性がある企業
住友電気工業(5802)
大成建設(1801)
三井物産(8031)
NEXTERA ENERGY INC(NEE)
Chainvest
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Chainvestを試す参考資料
- その他:ICSGの銅需給予測、2026年は96千t、2027年は377千tの供給過剰:ニュース・フラッシュ | JOGMEC JOURNAL 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構[JOGMEC]
- 銅の供給危機が2027年までに20〜30%のリターンをもたらす可能性 - Benzinga Japan
- 銅(2025~2026年)高値と再編の1年 | 住友商事グローバルリサーチ(SCGR)
- 伸銅品事業 | 三菱マテリアル
- 【日本株】「銅」関連銘柄を紹介! 価格が高騰している「銅」を扱う「三菱マテリアル」「三井金属鉱業」「住友金属鉱山」などの“非鉄”企業の割安修正に期待
- 二次銅生産拡大見通しとICSG供給予測:2027年に向けた銅市場の構造転換
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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