ASML株価急落の原因:中国DUV露光装置国産化が日本の半導体関連銘柄に与える影響
米ニュースサイト「ジ・インフォメーション」が2026年7月27日、中国企業が液浸型深紫外線(DUV)露光装置の国内製造を開始したと報道しました。同装置は年内にSMIC・華虹半導体・CXMTなど中国大手半導体メーカーへ納入される見通しで、ロイター 2026年7月27日が詳報しています。当初の生産規模は今年約5台・2027年に約20台と限定的ですが、この報道を受けてASMLホールディングの株価は28日の欧州市場で前週末から2日間で11%下落し、6月初旬以来の安値を記録しました。同報道ではDUV装置の性能・信頼性は依然ASMLに劣り、量産化にはさらなる試験が必要とされています。
中国のDUV露光装置国産化報道でASML独占体制が揺らぐ中、EUV検査装置でASMLと深い協業関係にあるレーザーテック(6920)への警戒売りが広がる一方、DUV市場の飽和でEUV向け先端材料需要が高まる信越化学工業(4063)には構造的な恩恵が生じますが、中国向け売上を抱えるENTEGRIS(ENTG)や住友化学(4005)はサプライチェーン再編リスクを抱える可能性があります。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もし中国企業がDUV装置の量産に成功した場合、ASMLの独占地位が崩壊し露光装置市場の競争が激化する(悪化)
直接影響を受けるセクター
半導体・電子部品AIが連想した波及の流れ
- 1ASML独占崩壊
中国DUV量産化報道で競争激化へ
- 2露光装置市場の価格競争激化
ASML・中国企業間で値下げ圧力
- 3次世代EUV・量子ドット露光への投資シフト
DUV市場飽和で高付加価値技術へ
- 4先端材料・光学素子の需要拡大
次世代露光装置用化学品・レアマテリアル
- 5素材・化学セクターの成長
EUV用フォトレジスト・高純度ガス需要増
- 6精密化学メーカーの増産投資
製造装置メーカー向け受託製造増加
- 7産業ガス・試薬供給企業の成長
装置高度化に伴う特殊材料消費増
ASML株価急落の原因:中国DUV国産化が半導体装置市場に変える構造
Bloomberg 2026年7月28日によると、ASMLの株価は2日間で11%下落し、DUV露光装置における独占的な地位への市場の信頼が揺らいでいます。ロイター 2026年7月27日が伝えた報道では、中国製装置の年内納入先にSMIC・華虹半導体・CXMTが挙がっており、いずれも中国の代表的な量産拠点です。ただし初年度の生産台数は約5台にとどまり、性能・信頼性の面でも現時点ではASML製品に及ばないとされています。
それでも市場が過剰とも見える反応を示したのは、「独占が崩れる端緒」というシグナルを先読みしたためです。DUV露光装置はASMLのほかニコン(7731)・キヤノンも主要サプライヤーとして存在しますが、中国企業が自国向け装置を内製化し始めると、既存メーカーへの中国向け需要が段階的に縮小する構造が生まれます。特にニコン(7731)は中国向けDUV需要への依存度が高く、この動向は中長期的な売上構成に影響を与えます。
レーザーテック株への影響:EUV協業体制と中国半導体市場の関係
レーザーテック(6920)はEUV露光対応の検査装置「ACTIS」を主力製品とし、ASMLとの強固な協業関係を持つため、今回のASML株急落を受けて警戒売りが広がっています(フィスコ 2026年7月28日)。同社は2026年6月期の連結純利益が前期比29%減の600億円となる見通しを発表済みで(日本経済新聞 2025年8月7日)、顧客の設備投資減速がすでに業績を圧迫している局面です。
ただし、DUV市場が中国企業の参入で飽和に向かうと、半導体メーカーは投資先を次世代EUVプロセスへシフトさせます。その結果、EUV対応マスク検査装置の需要が中長期的に積み上がるという構造があり、レーザーテック(6920)にとっては短期の打撃と中期の恩恵が同時に存在するポジションです。
見落とされやすい関連銘柄:EUV素材・産業ガスメーカーへの影響
DUV市場の競争激化でより注目が集まるのが、EUV向け先端材料セクターです。DUVからEUVへの投資シフトが加速すると、EUV用フォトレジストや高純度シリコンウェハーを手がける信越化学工業(4063)、EUV装置の稼働に不可欠な超高純度ガスを供給する日本酸素ホールディングス(4091)への需要が構造的に拡大します。また、露光装置向け電源・制御システムを供給するAdvanced Energy Industries(AEIS)も、装置高度化に伴う採用機会が生じる位置にあります。
一方、打撃リスクを抱えるのは中国向けサプライチェーンに組み込まれていた企業群です。半導体プロセス用特殊化学品・フィルトレーション素材を手がけるENTEGRIS(ENTG)やLam Research(LRCX)は、中国が装置・材料の自国調達比率を高めると調達先の切り替えリスクに直面します。住友化学(4005)はフォトレジスト等で中国向け売上を持ち、中国の国産化政策が進むほど市場縮小圧力が高まります。京セラ(6971)は半導体向けセラミックパッケージ・封止材で中国メーカーとの取引を持ち、2027年3月期に設備投資を前期比51%増の2250億円と計画していますが(日本経済新聞 2026年4月30日)、中国半導体市場の内製化加速は需要の前提を変える要因になります。
DUV国産化の量産規模はまだ限定的ですが、この報道が示した「中国の自給サイクルの始まり」という構造変化は、装置・素材・化学品の各層にわたるサプライチェーンの再評価を促しています。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
レーザーテック(6920)
ニコン(7731)
信越化学工業(4063)
日本酸素ホールディングス(4091)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
ADVANCED ENERGY INDUSTRIES INC(AEIS)
打撃を受ける可能性がある企業
京セラ(6971)
ENTEGRIS INC(ENTG)
住友化学(4005)
LAM RESEARCH CORP(LRCX)
Chainvest
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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