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著者: かぶてぃー|公開: 2026年7月29日|更新: 2026年7月29日

ASML株価急落の原因:中国DUV露光装置国産化が日本の半導体関連銘柄に与える影響

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米ニュースサイト「ジ・インフォメーション」が2026年7月27日、中国企業が液浸型深紫外線(DUV)露光装置の国内製造を開始したと報道しました。同装置は年内にSMIC・華虹半導体・CXMTなど中国大手半導体メーカーへ納入される見通しで、ロイター 2026年7月27日が詳報しています。当初の生産規模は今年約5台・2027年に約20台と限定的ですが、この報道を受けてASMLホールディングの株価は28日の欧州市場で前週末から2日間で11%下落し、6月初旬以来の安値を記録しました。同報道ではDUV装置の性能・信頼性は依然ASMLに劣り、量産化にはさらなる試験が必要とされています。

中国のDUV露光装置国産化報道でASML独占体制が揺らぐ中、EUV検査装置でASMLと深い協業関係にあるレーザーテック(6920)への警戒売りが広がる一方、DUV市場の飽和でEUV向け先端材料需要が高まる信越化学工業(4063)には構造的な恩恵が生じますが、中国向け売上を抱えるENTEGRIS(ENTG)や住友化学(4005)はサプライチェーン再編リスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もし中国企業がDUV装置の量産に成功した場合、ASMLの独占地位が崩壊し露光装置市場の競争が激化する(悪化)

直接影響を受けるセクター

半導体・電子部品

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    ASML独占崩壊

    中国DUV量産化報道で競争激化へ

  2. 2
    露光装置市場の価格競争激化

    ASML・中国企業間で値下げ圧力

  3. 3
    次世代EUV・量子ドット露光への投資シフト

    DUV市場飽和で高付加価値技術へ

  4. 4
    先端材料・光学素子の需要拡大

    次世代露光装置用化学品・レアマテリアル

  5. 5
    素材・化学セクターの成長

    EUV用フォトレジスト・高純度ガス需要増

  6. 6
    精密化学メーカーの増産投資

    製造装置メーカー向け受託製造増加

  7. 7
    産業ガス・試薬供給企業の成長

    装置高度化に伴う特殊材料消費増

ASML株価急落の原因:中国DUV国産化が半導体装置市場に変える構造

Bloomberg 2026年7月28日によると、ASMLの株価は2日間で11%下落し、DUV露光装置における独占的な地位への市場の信頼が揺らいでいます。ロイター 2026年7月27日が伝えた報道では、中国製装置の年内納入先にSMIC・華虹半導体・CXMTが挙がっており、いずれも中国の代表的な量産拠点です。ただし初年度の生産台数は約5台にとどまり、性能・信頼性の面でも現時点ではASML製品に及ばないとされています。

それでも市場が過剰とも見える反応を示したのは、「独占が崩れる端緒」というシグナルを先読みしたためです。DUV露光装置はASMLのほかニコン(7731)・キヤノンも主要サプライヤーとして存在しますが、中国企業が自国向け装置を内製化し始めると、既存メーカーへの中国向け需要が段階的に縮小する構造が生まれます。特にニコン(7731)は中国向けDUV需要への依存度が高く、この動向は中長期的な売上構成に影響を与えます。

レーザーテック株への影響:EUV協業体制と中国半導体市場の関係

レーザーテック(6920)はEUV露光対応の検査装置「ACTIS」を主力製品とし、ASMLとの強固な協業関係を持つため、今回のASML株急落を受けて警戒売りが広がっています(フィスコ 2026年7月28日)。同社は2026年6月期の連結純利益が前期比29%減の600億円となる見通しを発表済みで(日本経済新聞 2025年8月7日)、顧客の設備投資減速がすでに業績を圧迫している局面です。

ただし、DUV市場が中国企業の参入で飽和に向かうと、半導体メーカーは投資先を次世代EUVプロセスへシフトさせます。その結果、EUV対応マスク検査装置の需要が中長期的に積み上がるという構造があり、レーザーテック(6920)にとっては短期の打撃と中期の恩恵が同時に存在するポジションです。

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見落とされやすい関連銘柄:EUV素材・産業ガスメーカーへの影響

DUV市場の競争激化でより注目が集まるのが、EUV向け先端材料セクターです。DUVからEUVへの投資シフトが加速すると、EUV用フォトレジストや高純度シリコンウェハーを手がける信越化学工業(4063)、EUV装置の稼働に不可欠な超高純度ガスを供給する日本酸素ホールディングス(4091)への需要が構造的に拡大します。また、露光装置向け電源・制御システムを供給するAdvanced Energy Industries(AEIS)も、装置高度化に伴う採用機会が生じる位置にあります。

一方、打撃リスクを抱えるのは中国向けサプライチェーンに組み込まれていた企業群です。半導体プロセス用特殊化学品・フィルトレーション素材を手がけるENTEGRIS(ENTG)やLam Research(LRCX)は、中国が装置・材料の自国調達比率を高めると調達先の切り替えリスクに直面します。住友化学(4005)はフォトレジスト等で中国向け売上を持ち、中国の国産化政策が進むほど市場縮小圧力が高まります。京セラ(6971)は半導体向けセラミックパッケージ・封止材で中国メーカーとの取引を持ち、2027年3月期に設備投資を前期比51%増の2250億円と計画していますが(日本経済新聞 2026年4月30日)、中国半導体市場の内製化加速は需要の前提を変える要因になります。

DUV国産化の量産規模はまだ限定的ですが、この報道が示した「中国の自給サイクルの始まり」という構造変化は、装置・素材・化学品の各層にわたるサプライチェーンの再評価を促しています。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

レーザーテック6920

根拠レーザーテックはEUV露光対応のマスク・マスクブランクス検査装置「ACTIS」を主力製品とし、ASMLとの協業体制を通じてEUVプロセスの拡大に連動した需要を取り込む構造にあります。DUV市場に中国企業が参入し装置投資の重心がEUVへシフトすると、先端半導体製造に不可欠なEUV対応検査装置の受注が中長期的に積み上がります。2026年6月期の受注高は1052億円と前期比6割減の局面にありますが、EUVシフト加速が中期の需要回復を牽引します。
経路DUV市場への中国製装置参入(投資重心がEUVへシフト)先端EUVプロセス向け設備投資拡大(顧客の次世代ライン増強)ACTIS等EUV対応検査装置の受注増加(リードタイム1〜2年で売上計上)

ニコン7731

根拠ニコンはASML・キヤノンと並ぶDUV露光装置の主要サプライヤーであり、中国市場向けDUV需要への依存度が相対的に高い構造にあります。中国企業がDUV装置の自国調達を進めると中国向け販売が段階的に減少する一方、DUVからEUVへの投資シフトにより先進国・台湾・韓国市場でのDUV更新需要が前倒しで発生します。この代替需要の取り込みが中国市場縮小の一部を補完し、グローバルなDUV市場における相対的なポジション維持につながります。
経路中国DUV国産化(既存メーカーへの中国向け需要が段階的に代替)先進国・アジア市場でのDUV更新需要が前倒し発生(顧客のライン切り替え加速)ニコンの中国外DUV販売が補完的に拡大(市場シェア維持・防衛)

信越化学工業4063

根拠信越化学工業はEUV露光向けフォトレジストおよび高純度シリコンウェハーを手がける世界トップクラスのシェアを持つ素材メーカーです。DUV市場の競争激化によりEUVプロセスへの設備投資シフトが加速すると、EUV専用フォトレジストの採用ウェハー枚数が増加し、同社の高機能レジスト販売量が構造的に拡大します。シリコンウェハーも先端ロジック・メモリの生産拡大に連動して需要が増加するため、EUVシフトは同社の二つの主要事業に同時に恩恵をもたらします。
経路EUV投資シフト加速(先端プロセスでのEUVレイヤー数が増加)EUV用高機能フォトレジスト・高純度ウェハーの採用拡大(世代ごとに仕様要件が厳格化)信越化学の先端素材販売量・単価が上昇(世界トップシェアが需要取り込みを加速)

日本酸素ホールディングス4091

根拠日本酸素ホールディングスはEUV露光装置の稼働に不可欠な超高純度ネオン・クリプトン・窒素等の産業ガスを半導体製造拠点へ供給する構造を持ちます。EUV装置は光源維持や内部パージに大量の超高純度ガスを継続的に消費するため、EUV対応ラインの増設が進むと同社のガス供給量が直線的に拡大します。日本・台湾・韓国の先端半導体拠点への供給ネットワークを持つため、EUVシフトの地理的な恩恵を受けやすい位置にあります。
経路EUV装置稼働ライン増設(超高純度ガスの継続消費量が増加)超高純度ネオン・窒素等の供給量拡大(EUV装置1台あたりの消費量はDUV比で大幅増)日本酸素HDの半導体向けガス売上が構造的に拡大(日本・台湾・韓国拠点への供給ネットワークが稼働)

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

ADVANCED ENERGY INDUSTRIES INCAEIS

根拠Advanced Energy Industriesは半導体製造装置向けに高精度電源・RF電力制御システムを供給しており、ASML・Lam Research・Applied Materialsなど主要装置メーカーへの実績を持つサプライトラックレコードがあります。DUVからEUVへの装置高度化が進むと、EUV装置が要求する精密電力制御の仕様が厳格化し、同社の高付加価値電源モジュールの採用機会が拡大します。EUV装置1台あたりの電源システム搭載数・単価はDUV比で増加するため、装置世代交代が直接的な売上増に直結します。
経路EUV露光装置への投資シフト加速(装置の電力制御仕様が高度化)高精度RF電源・制御システムの採用機会拡大(DUV比で搭載数・単価が上昇)AEISの半導体装置向け売上が増加(主要装置メーカーへの供給実績が受注を後押し)

打撃を受ける可能性がある企業

京セラ6971

根拠京セラは半導体向けセラミックパッケージ・封止材・接着剤等を中国半導体メーカーへ供給しており、化学材料事業では封止材・接着剤関連の売上高が2025年3月期に232億円を計上しています。中国半導体メーカーが装置・材料の自国調達比率を高めると、パッケージ・封止材の国産代替が進み、京セラへの発注量が減少します。2027年3月期に前期比51%増・2250億円の設備投資を計画しているため、中国向け需要縮小は投資回収の前提を毀損するリスクを高めます。
経路中国半導体の内製化加速(パッケージ・封止材の国産代替が進行)中国メーカーからの発注量が減少(232億円規模の封止材・接着剤事業に圧力)2250億円の設備投資計画の回収前提が毀損(収益性・ROI低下リスク上昇)

ENTEGRIS INCENTG

根拠ENTEGRISは半導体プロセス用特殊化学品・フィルトレーション素材・高純度材料を中国の半導体製造拠点へ供給するサプライチェーンに組み込まれています。中国がDUV装置の内製化を起点に装置・材料全般の自国調達比率を高めると、プロセス化学品・フィルター材料の調達先が国産サプライヤーへ切り替わり、ENTEGRISの中国向け販売量が減少します。中国は世界半導体生産能力の拡張を国内で進めており、同社の中国依存部分の売上縮小が加速します。
経路中国のDUV国産化起点に材料自国調達が拡大(特殊化学品・フィルター材の国産代替加速)ENTEGRISの中国向けプロセス材料受注が減少(調達先切り替えリスクが顕在化)中国向け売上縮小が全社収益を圧迫(中国依存度に応じて下押し幅が拡大)

住友化学4005

根拠住友化学はフォトレジストを含む半導体プロセス用化学品で中国向け売上を持ち、中国半導体メーカーの設備拡張に伴う需要を取り込んできました。中国の国産化政策が装置から材料へ波及すると、フォトレジスト等の化学品でも国内サプライヤーへの代替が進み、住友化学の中国向け需要が縮小します。中国は自国のフォトレジストメーカーへの支援を強化しており、競合する国産品の品質向上が代替スピードを速めます。
経路中国の国産化政策が化学品層へ波及(フォトレジスト等で国内代替サプライヤーが台頭)住友化学の中国向けフォトレジスト販売量が段階的に減少(市場縮小圧力が継続)化学品セグメントの収益が圧迫(中国向け依存部分の売上が構造的に剥落)

LAM RESEARCH CORPLRCX

根拠Lam Researchはエッチング・成膜等の半導体プロセス装置を中国の量産拠点(SMIC・CXMTを含む)へ供給しており、中国向け売上が全社収益の一定比率を占めます。中国がDUV露光装置の内製化を起点に周辺プロセス装置の国産調達を拡大すると、Lam Researchの装置受注が代替される構造が生まれます。さらに米国の対中輸出規制強化と中国の内製化推進が同時進行することで、中国向け市場へのアクセスが複合的に制約されます。
経路中国のDUV国産化が周辺プロセス装置の内製化へ波及(エッチング・成膜装置でも国産代替が進行)Lam Researchの中国向け装置受注が減少(輸出規制と内製化推進の複合圧力)中国依存セグメントの売上・利益が構造的に縮小(全社収益への下押し圧力が高まる)
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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