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著者: かぶてぃー|公開: 2026年5月1日|更新: 2026年5月1日

ダイヤモンド半導体 関連銘柄への影響|京セラ・住友ベークライトは恩恵を受けるか

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大熊ダイヤモンドデバイス(ODD)は北海道大学・産総研の研究成果を基盤に2022年に設立され、福島県大熊町にて世界初のダイヤモンド半導体量産工場を2026年度内に稼働開始する計画を進めています。2025年3月27日には起工式が行われ、経済産業省副大臣・東京電力・東北電力の代表者ら70名以上が参加しました(Coral Capital 2026年4月)。産総研は2026年2月にダイヤモンドとシリコンを高温接合した大面積複合ウエハ技術を発表し、2030年までに6インチウエハの実現と国内企業への技術移転加速を目指しています(知っとく広場 Light 2026年2月8日)。日本政府は「半導体・デジタル産業戦略」にダイヤモンド半導体を重点技術として明記し、官民一体の開発が加速しています(Spicy Company プレスリリース 2026年4月17日)。

ダイヤモンド半導体の量産化に向けた官民投資が加速する中、半導体関連材料セグメントが好調な住友ベークライト(4203)には基板・封止材需要の拡大という構造的恩恵が生じる一方、シリコン向け部材に依存する古河電気工業(5801)は既存事業の代替リスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もし人工ダイヤの量産化と低コスト化に成功した場合、次世代半導体の主力技術として採用が急速に広がる。

直接影響を受けるセクター

製造用機械・装置

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    ダイヤ半導体量産化

    次世代半導体の主力技術として採用拡大

  2. 2
    高性能チップ供給増加

    AI・5G・6G向け需要がさらに加速

  3. 3
    電子部品・基板需要拡大

    ダイヤチップ搭載デバイスの実装工程増加

  4. 4
    検査・テスト装置需要増

    ダイヤ特性の品質保証工程が必須化

  5. 5
    熱管理材料・放熱素材需要

    高性能ダイヤチップの発熱対策が重要課題

  6. 6
    既存Si向け部材需要減少

    ダイヤ採用比率上昇で従来型部材が代替される

ダイヤモンド半導体 量産化で何が変わるか

ダイヤモンド半導体は、シリコンを大幅に上回る絶縁破壊電界・熱伝導率・キャリア移動度を持ち、「究極のパワー半導体材料」と呼ばれます。Coral Capital(2026年4月)によれば、大熊ダイヤモンドデバイス(ODD)が福島県大熊町で2026年度内の量産工場稼働を計画しており、起工式には経済産業省副大臣も出席しています。さらに産総研は2026年2月、ダイヤモンドとシリコンを高温接合した大面積複合ウエハ技術を発表し、6インチウエハの実現と国内企業への技術移転を2030年までに目指す計画を打ち出しました。本田技術研究所も産総研と共同で「Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室」を2026年2月に設置しており、EE Times Japan(2026年3月30日)が詳報しています。日本政府が「半導体・デジタル産業戦略」にダイヤモンド半導体を重点技術として明記したことで、需要の立ち上がりは政策主導でも後押しされる構造にあります。

京セラ・住友ベークライト 株価に関わる恩恵の経路

ダイヤモンド半導体が実装工程に入ると、チップを搭載する基板・封止材・パッケージ部品の仕様要求が一段厳しくなります。なぜなら、ダイヤモンドチップは極めて高い熱伝導率を持つため、周辺部材にも対応する熱特性・絶縁性が求められるからです。住友ベークライト(4203)は2026年3月期Q3累計で半導体関連材料セグメントが営業利益前年同期比36.2%増を達成しており(住友ベークライト IR 2026年2月)、高機能封止材・基板材料の拡張余地を持つポジションにあります。京セラ(6971)については、パワー半導体事業の一部を吸収分割により住友ベークライトへ移管した経緯があり(京セラ IR 2025年5月14日)、コア半導体部品・有機材料事業では2026年3月期Q3累計で黒字化を達成しています(京セラ IR 2026年2月4日)。ダイヤモンド半導体の熱管理ニーズが高まれば、セラミックパッケージや熱管理部品を手がける同社の製品群に追い風が生じます。

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見落とされやすい打撃側の構造|日立化成・古河電気工業への影響

ダイヤモンド半導体の採用比率が上昇する局面では、既存シリコン向け部材の需要構造が変容します。レゾナックホールディングス(旧日立化成、4217)はパワー半導体向け素材メーカーとして位置付けられており、シリコンウエハ関連の接合材・封止材を主力とする事業ポートフォリオを持ちます。ダイヤモンド対応品への切り替えが進むほど、既存Si向け製品の需要が縮小するリスクが構造として存在します。古河電気工業(5801)も同様に、シリコン系パワー半導体向けの銅ボンディングワイヤや放熱基板材料を手がけており、素材の転換が進むと従来製品の代替圧力が生じます。古河電工は2025年4〜9月期に純利益16%増をデータセンター関連で達成しており、現在の業績基盤は堅固ですが、ダイヤモンド半導体の普及速度が既存材料事業の将来見通しに影響を与える軸として、Chainvestの分析では打撃側に分類されています。

恩恵を受ける可能性がある企業

京セラ6971

根拠京セラはシリコンダイオードを中心とするパワー半導体関連のケミカル事業を住友ベークライトへ吸収分割により移管し、コア半導体部品・有機材料事業に経営資源を集中させました。2026年3月期Q3累計では同事業が黒字化を達成しており、収益構造の転換が進んでいます。ダイヤモンド半導体の熱管理ニーズが高まると、セラミックパッケージや熱管理部品を手がける京セラの製品群への需要が拡大し、高耐熱・高絶縁仕様の部品受注が増加します。
経路ダイヤモンド半導体の量産化(高耐熱・高絶縁パッケージ仕様の要求上昇)セラミックパッケージ・熱管理部品の需要拡大(京セラの注力事業領域に直結)コア半導体部品セグメントの売上・利益拡大(黒字化達成後の次の成長ドライバーとなります)

住友ベークライト4203

根拠住友ベークライトは京セラのケミカル事業を2026年1月22日付の吸収分割により子会社化し、半導体関連材料の事業基盤を拡充しました。2026年3月期Q3累計の半導体関連材料セグメントは営業利益が前年同期比36.2%増の248億円を達成しており、高機能封止材・基板材料の成長軌道が確立されています。ダイヤモンド半導体の実装工程が本格化すると、高熱伝導・高絶縁仕様に対応する封止材・基板材料の仕様要求が一段引き上げられ、同社の高付加価値製品ラインへの置き換え需要が加速します。
経路ダイヤモンド半導体の実装工程開始(周辺材料への高熱特性・高絶縁要求が上昇)高機能封止材・基板材料の受注拡大(半導体関連材料セグメントが主要受益部門となります)セグメント営業利益のさらなる成長(京セラケミカル事業統合による製品ラインナップ強化が上乗せ寄与します)

テルモ4543

根拠テルモは医療機器専業メーカーとして、カテーテル・ステント等の体内埋込デバイスおよび体外循環装置を主力とします。ダイヤモンド半導体が持つ高耐熱・高絶縁・生体適合性の特性は、次世代植込型医療デバイスの電力変換モジュールや神経刺激装置への応用経路を開きます。政府の「半導体・デジタル産業戦略」がダイヤモンド半導体を重点技術に指定したことで、医療応用領域への技術移転が加速し、テルモの次世代デバイス開発コスト低減と製品性能向上が同時に実現します。
経路ダイヤモンド半導体の政策主導量産化(生体適合性・高絶縁性を活かした医療応用技術の移転が加速)植込型デバイス・電力変換モジュールへの次世代素材採用(テルモの高付加価値デバイスの性能・小型化が向上します)次世代医療機器ラインの競争力強化(製品単価上昇と市場シェア拡大に直結します)

打撃を受ける可能性がある企業

日立化成4217

根拠レゾナックホールディングス(旧日立化成)はシリコン系パワー半導体向けの接合材・封止材を主力事業とし、パワー半導体素材メーカーとして国内外の顧客に製品を供給しています。ダイヤモンド半導体の採用比率が上昇するにつれ、既存シリコンウエハ向け接合材・封止材の出荷量が縮小し、同社のSi向け製品ポートフォリオに対する代替圧力が構造的に高まります。新素材対応品への研究開発投資が必要となる一方、移行期間中は既存製品の単価下落と稼働率低下が同時に発生するリスクが事業構造の中に存在します。
経路ダイヤモンド半導体の量産・採用拡大(シリコン向け接合材・封止材の需要が縮小)既存Si向け製品の出荷量減少と稼働率低下(パワー半導体素材セグメントの収益が圧迫されます)ダイヤモンド対応新素材への研究開発費増加(利益率の二重圧力が発生します)

古河電気工業5801

根拠古河電気工業はシリコン系パワー半導体向けの銅ボンディングワイヤおよび放熱基板材料を手がけており、2025年4〜9月期にはデータセンター関連需要を背景に純利益が前年同期比16%増を達成しています。ダイヤモンド半導体の普及が進むと、銅ボンディングワイヤや従来型放熱基板の仕様が刷新され、既存製品ラインへの代替圧力が生じます。特に放熱基板材料はダイヤモンドの高熱伝導率に対応した新仕様品が要求されるため、従来製品の受注単価と出荷数量が同時に低下する構造が形成されます。
経路ダイヤモンド半導体の採用拡大(銅ボンディングワイヤ・従来型放熱基板の仕様が刷新)既存Si向け製品の受注単価・出荷数量が低下(電子材料セグメントへの代替圧力が発生します)データセンター需要で積み上げた利益基盤が素材転換コストで侵食(中期業績見通しへの下方圧力が高まります)
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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