EV価格下落で中国車が新興国に流入、トヨタ・アイシンへの打撃とファナック・住友金属鉱山の恩恵を読む
世界のEV平均価格が2025年にハイブリッド車(HV)の価格を下回りました。日経ビジネス 2025年9月2日によれば、新興市場では中国製EVがエンジン車と同水準かそれ以下に達しており、普及加速が鮮明になっています。Bloomberg 2025年3月18日は、中国自動車メーカーの世界市場シェアが現在の3%から2030年には13%に拡大する見通しを報じており、南アフリカでは中国製車が販売台数の約1割・2019年比5倍に達したとも伝えています。PwC Japanは、中国国内の過当競争と補助金終了による収益圧迫が、メーカー各社に輸出拡大圧力をかけている構造を指摘しています。
EV平均価格がHVを下回り中国車が新興国に流入する構造変化で、電池製造装置を手がけるファナック(6954)には受注増の恩恵が見込まれる一方、新興国HV販売を主軸とするトヨタ自動車(7203)は市場侵食リスクを抱えています。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もし中国製EVの低価格競争が加速した場合、日本勢のHV市場が急速に侵食され新興国での販売基盤が崩壊する
直接影響を受けるセクター
自動車・輸送機AIが連想した波及の流れ
- 1EV平均価格がHV下回る
新興国でEV普及が加速し中国車が流入
- 2電池需要が急増
低価格EV大量生産で電池材料需要が増加
- 3リチウム・銅採掘加速
電池・配線用途で鉱物資源の供給逼迫懸念
- 4素材・化学セクター価格上昇
リチウム・コバルト・ニッケル価格が上昇傾向
- 5電池製造装置・検査需要増
急速な電池生産拡大で製造装置メーカー受注増
- 6高周波・電子部品需要増加
EV制御回路の高度化で専門部品需要が拡大
- 7サプライチェーン再構成
日本勢の部品調達構造が中国シフトに対応
EV価格下落で中国EV新興国シェア拡大が加速する構造
Bloomberg 2025年3月18日が示すように、中国自動車メーカーの世界シェアは2030年に13%へ拡大する見通しです。その背景には、PwC Japanが指摘する「国内補助金終了と過当競争による輸出圧力」があります。中国メーカーは内需だけでは消化できない生産能力を抱えており、新興国への廉価輸出が構造的に続きます。その先に立つのがHVに収益基盤を置くトヨタ自動車(7203)です。みんかぶ 2026年5月8日によれば、トヨタの27年3月期連結最終利益は前期比22.0%減の3兆円見通しとなっており、新興国での価格競争激化が収益圧縮を加速させています。トヨタのパワートレイン部品を主力とするアイシン(7259)や、スパークプラグを製造する日本特殊陶業(5334)はHV・エンジン車の販売減少が直接的なコスト圧力となります。豊田自動織機(6201)もフォークリフト・エンジン部品を含む事業でトヨタ依存度が高く、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)も新興国での競争環境が同様に悪化します。
HV依存から電池製造装置・素材へ—ファナック・住友金属鉱山の恩恵
中国EVメーカーが量産規模を拡大するほど、電池セルの生産ライン投資が積み上がります。ファナック(6954)はCNCロボットと産業用ロボットで電池製造装置向け受注を持ち、ライン増強の局面で恩恵を受ける構造があります。同時に、電池材料であるリチウム・コバルト・ニッケルの調達競争が激化し、住友金属鉱山(5713)はニッケル・コバルトの上流権益を持つことから資源価格の上昇局面で収益押し上げ効果が生じます。東京電力エナジーパートナー 2025年度によれば2025年のグローバルEV販売台数は約1,062万台・普及率30.9%に達しており、電池需要の絶対量が拡大し続けています。BYDが2025年のBEV世界販売台数で約225万台を記録しテスラ(TSLA)を上回って首位に立ったことも(Carconnect 2026年5月15日)、量産投資の継続を裏付けています。
見落とされやすいEV関連銘柄—日産・エンプラスへの影響
打撃側として語られることが多い日産自動車(7201)ですが、構造改革の進捗は注視に値します。日産自動車IR 2026年8月3日によれば、2026年度第1四半期で600億円のコスト削減を達成し、日本経済新聞 2026年8月4日は自動車事業の営業損益が83億円の赤字まで縮小したと伝えています。EV専業への転換を模索しつつコスト構造を刷新する日産は、中国EV拡大シナリオで一概に悲観できない側面があります。一方、意外な着眼点として浮かぶのがエンプラス(6961)です。EV制御回路の高度化に伴い、ICソケットや精密樹脂部品への需要が拡大する構造があり、電池管理システム(BMS)や電力変換モジュール向けの検査・接続部品需要が積み上がります。HV依存の部品メーカーが減収圧力を受ける局面で、EV固有の電子部品分野に軸足を置く企業の受注動向は、投資家が見落としやすいシグナルになります。
恩恵を受ける可能性がある企業
日産自動車(7201)
ファナック(6954)
Tesla, Inc.(TSLA)
住友金属鉱山(5713)
エンプラス(6961)
打撃を受ける可能性がある企業
トヨタ自動車(7203)
アイシン(7259)
General Motors Co(GM)
豊田自動織機(6201)
日本特殊陶業(5334)
FORD MOTOR CO(F)
Chainvest
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Chainvestを試す参考資料
- 中国、EVとガソリン車で世界席巻-東南アジアでは日本勢の隙突く - Bloomberg
- ASEAN原産中国EVは世界市場を席捲するか ~中国EVメーカーのASEAN市場席捲の先を考える~ | PwC Japanグループ
- 日産自動車、2026年度第1四半期決算を発表
- 決算:日産の最終黒字37億円 4〜6月、構造改革が奏功し8四半期ぶり - 日本経済新聞
- トヨタ自動車 (7203) : 決算情報・業績 [TOYOTA MOTOR] - みんかぶ
- 【2026年最新】EVの普及率は?日本と世界の統計・政策、今後の課題を解説 - EV DAYS | 東京電力エナジーパートナー
- 【2026年】中国の電気自動車(EV)メーカーの日本市場参入が加速している状況を解説 | Carconnect
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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