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著者: かぶてぃー|公開: 2026年8月12日|更新: 2026年8月12日

サムスン半導体工場100兆円投資で東京エレクトロン・信越化学に何が起きるか

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サムスン電子とSKハイニックスは2026年6月29日、計800兆ウォン(約83兆円)を投じて韓国国内に半導体工場4棟を新設すると発表しました。さらに日本経済新聞の2026年8月11日付報道によれば、投資総額は100兆円規模まで上乗せされる見通しです。サムスン電子の半導体部門の2026年営業利益は前期比15倍の40兆円規模と予想されており、同年の純利益は前期比8倍の38兆円に達する見通しとなっています。背景には世界半導体市場の急拡大があり、製造業向けAIエージェントAconnectの2026年予測では同年の世界半導体市場が前年比約26.3%増の9,754億ドルに達するとされています。

韓国サムスン・SKによる83〜100兆円規模の半導体投資確定で露光装置・ウエハ・産業ガスの調達が急拡大し、製造装置で国内最大手の東京エレクトロン(8035)への恩恵が見込まれる一方、同じメモリー市場に正面から向き合うキオクシアホールディングス(285A)は供給能力競争の激化というリスクを抱えます。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もし先端プロセス技術で韓国が優位を維持できた場合、投資による生産能力拡大が順調に回収され業界での地位が強化される

直接影響を受けるセクター

半導体・電子部品

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    韓国先端プロセス投資100兆円

    サムスン・SKが設備投資大型案件を発動

  2. 2
    半導体製造装置・素材需要激増

    露光装置・ウエハ・化学品・レアガス調達拡大

  3. 3
    グローバルサプライチェーン稼働率上昇

    素材・化学メーカーの増産・設備拡充が必要化

  4. 4
    産業ガス・特殊化学品の供給逼迫

    レアガス(アルゴン・クリプトン)需要急騰で価格上昇

  5. 5
    電力・インフラ需要連鎖

    韓国大規模工場群の立地に伴う地域インフラ投資加速

  6. 6
    関連輸送・物流業の利用率向上

    大型部材・製品輸送の定期化と海上貨物増加

サムスン半導体工場の設備投資拡大で製造装置・素材に何が起きるか

日本経済新聞 2026年6月29日が報じたように、サムスン電子とSKハイニックスは計800兆ウォン(約83兆円)を韓国国内の4工場建設に充てると発表しました。さらに同紙の2026年8月11日付記事は投資上乗せで総額100兆円規模に達することを伝えており、これだけの規模の設備投資は製造装置・素材・インフラにわたる広域な調達需要を生み出します。

工場建設フェーズで最初に動くのは露光装置です。ASML(ASML)は2025年1〜3月期に売上高が前年同期比46%増の77億4,150万ユーロ、純利益が同92%増の23億5,500万ユーロを記録しており(株探ニュース 2026年4月)、韓国からの大口発注がこの成長トレンドをさらに押し上げる構造があります。国内では東京エレクトロン(8035)がDRAM向け・AI向けの製造装置で強い需要を受けており、楽天証券投資情報メディア 2026年2月9日の分析でも先端ロジック・DRAM・NANDの三領域で装置需要の強さが確認されています。

韓国半導体投資拡大で恩恵を受ける関連銘柄の動き

シリコンウエハを製造する信越化学工業(4063)は、2027年3月期第1四半期に売上高6,624億円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,738億円(同4.2%増)と増収増益を達成しており(Yahoo!ファイナンス)、AI需要を追い風にした電子材料事業が牽引役です。韓国の大型工場群が立ち上がれば、ウエハ需要はさらに積み増しされます。

あまり注目されないのが産業ガスの領域です。半導体プロセスではアルゴン・クリプトンといったレアガスが成膜・洗浄工程で不可欠であり、工場規模が拡大するほど消費量が比例して増えます。国内の産業ガス大手エア・ウォーター(4088)はニッチな供給実績を持つサプライヤーとして、稼働率上昇の直接的な恩恵を受けます。大型設備や部材の輸送面では、韓国向け定期海上貨物の増加が日本郵船(9101)の利用率を押し上げる構造も生じます。

マネックス証券

見落とされやすいキオクシア・マイクロン・競合メーカーへの影響

サムスン・SKの増産投資は競合メモリーメーカーにとって供給競争の激化を意味します。Yahoo!ファイナンスのデータによれば、キオクシアホールディングス(285A)は2027年3月期第1四半期に売上収益が前年同期比415.5%増と飛躍的に拡大していますが、韓国勢が製造能力を倍増させれば価格競争の圧力が増す局面が来ます。MICRON TECHNOLOGY(MU)も2026年8月期3Qに売上高が前年比4.46倍という好決算を記録している(楽天証券投資情報メディア 2026年6月29日)一方、韓国の大規模増産が市況の天井を引き下げるリスクを同時に抱えます。

電子部品メーカーのTDK(6762)は半導体向け受動部品を供給しており、サムスン向けの需要増は追い風になる一面がある反面、韓国大手が垂直統合を深めるほど調達先の集約圧力を受ける構造が生じます。Broadcom(AVGO)はカスタムAIチップでサムスンのファウンドリを活用する立場にあり、韓国工場群の先端プロセス競争力が問われる局面では調達戦略の見直しが生じ得ます。日本経済新聞 2026年7月29日が伝えるサムスン半導体の40兆円営業益予想は、投資回収の目算が立ちつつあることを示しており、この規模の設備更新サイクルはサプライチェーン全体を数年単位で揺さぶります。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

東京エレクトロン8035

根拠東京エレクトロンはDRAM向け・AI向け半導体製造装置で強固な供給実績を持ち、サムスン電子・SKハイニックスの計800兆ウォン規模の工場建設はDRAM/NAND/先端ロジックの三領域で同社装置の大口発注を直接押し上げます。楽天証券の分析でも先端ロジック・DRAM・NANDいずれの領域でも装置需要の強さが確認されており、韓国4工場の量産立ち上げ工程で成膜・エッチング・洗浄装置の需要が集中的に発生します。工場立ち上げ1棟あたり数千億円規模の装置調達が生じるため、複数工場の同時進行は同社の受注残を数年単位で積み増します。
経路韓国4工場の同時建設着工(装置調達需要が集中発生)DRAM・NAND・先端ロジック向け製造装置の大口受注増加(楽天証券分析で三領域の装置需要強さを確認)受注残積み増しによる複数年にわたる売上・利益押し上げ

信越化学工業4063

根拠信越化学工業はシリコンウエハで世界首位級のシェアを持ち、半導体工場の稼働増はウエハ出荷量に直結します。2027年3月期第1四半期は売上高6,624億円(前年同期比5.4%増)・営業利益1,738億円(同4.2%増)と増収増益を達成しており、AI需要主導の電子材料事業が牽引しています。サムスン・SKの計800兆ウォン規模の工場群が順次立ち上がることで、DRAM・NAND製造に必要な300mmウエハの調達量が比例的に増加し、同社の販売数量・販売価格の双方を押し上げます。
経路韓国大型工場群の量産立ち上げ(ウエハ調達需要が急増)300mmシリコンウエハの出荷数量増加・価格上昇(世界首位級シェアで恩恵を直接受ける)電子材料事業の増収増益トレンド加速

日本郵船9101

根拠日本郵船は日韓間の定期海上貨物輸送で主要なキャリアとして機能しており、サムスン・SKの800兆ウォン規模の工場建設は製造装置・建設資材・素材・部品の大量輸送需要を継続的に生み出します。韓国向け輸出額は2026年2月時点で9カ月連続増加を記録しており、工場建設フェーズから量産フェーズにかけて日韓間の貨物量は段階的に拡大します。大型製造装置の重量貨物輸送は高単価であり、船舶稼働率と貨物運賃の双方を押し上げます。
経路韓国4工場向け製造装置・建設資材の大量輸送需要発生(日韓定期航路の貨物量が増加)船舶稼働率の上昇と高単価重量貨物の取り込み(重量貨物は運賃単価が高い)海運セグメントの収益改善

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

ASML HOLDING NVASML

根拠ASMLは最先端EUV露光装置で事実上の独占的供給実績を持ち、サムスン・SKの新工場では先端DRAMおよびロジックプロセスへの移行に伴いEUV装置の大量導入が不可欠です。2025年1〜3月期に売上高前年同期比46%増の77億4,150万ユーロ、純利益同92%増の23億5,500万ユーロを記録しており、韓国からの大口発注がこの成長トレンドをさらに加速します。1台あたり数百億円のEUV装置が複数ライン分発注されることで、受注バックログは数年分積み上がる構造になります。
経路先端DRAM・ロジック工場の新設(EUV露光装置が必須工程)ASML向けEUV装置の大口発注増加(独占的供給で競合代替なし)売上高・純利益の高成長トレンド継続・加速
意外な波及

エア・ウォーター4088

根拠エア・ウォーターは産業ガス分野でアルゴン・クリプトンなどレアガスのニッチな供給実績を持ち、半導体製造の成膜・洗浄工程で消費される産業ガスの需要は工場の稼働規模に正比例して増加します。サムスン・SKの計800兆ウォン規模の新工場群が順次稼働に入ると、各ラインでのアルゴン・窒素・クリプトン消費量が継続的に積み上がり、同社の長期供給契約の獲得および販売数量の拡大に直結します。産業ガスは代替調達が難しく、一度納入実績を持つサプライヤーは稼働期間中の安定受注を継続します。
経路韓国大型半導体工場の新規稼働(アルゴン・クリプトン等レアガス消費量が比例増加)ニッチな供給実績を持つエア・ウォーターへの長期供給契約獲得・販売数量拡大(代替困難で継続受注)産業ガスセグメントの売上・利益の安定的拡大

打撃を受ける可能性がある企業

キオクシアホールディングス285A

根拠キオクシアホールディングスは2027年3月期第1四半期に売上収益が前年同期比415.5%増の1兆7,671億円、営業利益1兆2,700億円と飛躍的に拡大しており、現時点では市況恩恵を享受しています。しかしサムスン・SKが計800兆ウォンを投じてNAND製造能力を倍増させると、NAND市場の供給量が急増し価格競争が激化します。キオクシアは技術・規模の両面でサムスンと直接競合しており、韓国勢の増産が本格化する局面では現在の高マージン構造が価格下落圧力により侵食されます。
経路サムスン・SKのNAND製造能力倍増(供給量の大幅増加)NAND市況の価格下落圧力強化(直接競合するキオクシアの販売単価が低下)現在の高マージン構造の侵食・利益率の低下

MICRON TECHNOLOGY INCMU

根拠マイクロン・テクノロジーは2026年8月期3Qに売上高414.56億ドル(前年比4.46倍)・営業利益333.18億ドル(同15.36倍)という好決算を記録していますが、サムスン・SKが計800兆ウォンを投じてDRAM・HBM製造能力を大幅拡張すると、現在タイトな需給バランスが崩れます。DRAM市場ではサムスンが圧倒的なシェアを持ち、韓国勢の増産はマイクロンが享受している高価格環境の天井を引き下げ、販売単価の下落圧力となります。
経路サムスン・SKのDRAM・HBM製造能力の大幅拡張(供給量増加で需給バランスが緩和)DRAM・HBM市況の価格下落(マイクロンの販売単価が低下)現在の高収益水準からの利益率の押し下げ

TDK6762

根拠TDKは半導体向け受動部品(積層セラミックコンデンサ等)をサムスン電子を含む韓国大手向けに供給しており、工場増設による需要増は短期的に追い風となります。しかしサムスン・SKが垂直統合を深め調達先の集約・コスト削減を進めると、TDKを含む外部サプライヤーへの発注単価の引き下げ圧力が高まります。大口顧客への依存度が高い受動部品サプライヤーは、顧客側の交渉力強化により利益率が圧縮されるリスクを負います。
経路サムスン・SKの垂直統合深化と調達集約(外部サプライヤーへの価格交渉力が強化)TDKへの発注単価引き下げ圧力の増大(大口顧客依存構造でコスト削減要求を受けやすい)受動部品セグメントの利益率圧縮

Broadcom Inc.AVGO

根拠BroadcomはカスタムAIチップ(XPU)の製造をサムスンのファウンドリに委託する立場にあり、サムスンが先端ロジックプロセスへの巨額投資を進める中、ファウンドリの競争環境はTSMCとサムスンの二極構造で激化します。サムスンが製造能力を増強するにつれ、Broadcomに対してサムスンファウンドリへの発注シフトを求める交渉圧力が高まり、調達戦略の見直しコストと歩留まりリスクが発生します。先端プロセスでの競合激化は製造委託コストの交渉余地を狭め、Broadcomのチップ製造コスト構造に下押し圧力をかけます。
経路サムスンのファウンドリ製造能力拡張(先端ロジックプロセスでTSMCとの競争激化)Broadcomへのサムスンファウンドリ活用要求の強化(調達先見直しコストと歩留まりリスクが発生)カスタムAIチップの製造コスト構造への下押し圧力
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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