フジクラ光通信超大型受注が示す、データセンター関連銘柄への構造的な影響
フジクラは2024年度の決算会見(2024年5月7日、岡田直樹社長)において、アジア圏の大手IT関連事業者からデータセンター向け光通信関連部品の超大型受注を獲得したと発表しました。受注品目はデータセンター内の光信号伝送に用いるコネクタ付き光コードなどで、当該案件における今年度の売上高は3000億円規模になる見通しです。岡田社長は「納期対応力も強みの一つとして磨く。引き続きこのような案件は狙っていきたい」と述べ、米国に続きアジア・欧州でもデータセンター建設が加速するとの見通しを示しました。
フジクラの3000億円規模の超大型受注でアジアのデータセンター向け光通信需要の構造的な拡大が確認され、競合する光ファイバメーカーである住友電気工業(5802)への需要シフト恩恵が見込まれる一方、シェア競争に直面する古河電気工業(5801)は調達競合リスクを抱えます。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もしアジア圏でのデータセンター建設加速が予想以上に進んだ場合、継続的な大型受注で成長軌道が固定化する。
直接影響を受けるセクター
AI・クラウド・データセンターAIが連想した波及の流れ
- 1DC建設加速
アジア圏データセンター需要爆発の起点
- 2光ファイバ需給ひっ迫
DC構築用光インフラの逼迫状況発生
- 3電力・冷却需要増加
DC大型化に伴う電力消費と冷却負荷の急増
- 4発電・変電設備投資
地域電力網のキャパシティ拡張が必須化
- 5産業用モーター・冷却装置需要
冷却・送風・電力制御用機械需要が連鎖的に増加
- 6建設・立地競争激化
DC立地地域の産業用地価格上昇と競争激化
フジクラ受注が示す光ケーブル需給の変化と関連銘柄への影響
アジア圏のデータセンター向けでフジクラが3000億円規模の受注を確保した背景には、供給能力と納期対応力という二つの参入障壁があります。大型IT事業者が「短納期対応」を選定基準に据えた点は重要で、製品スペックだけでなく在庫・生産体制まで評価されることを意味します。この構造のもとで、同じく光ファイバ・光ケーブル事業を持つ住友電気工業(5802)には代替・補完供給先としての引き合いが増す構造があります。住友電工はデータセンター向け光ファイバ製品の製造実績を持ち、フジクラの生産キャパシティが逼迫した場合の受け皿として商談機会が生じます。一方、同じ市場を競合する古河電気工業(5801)にとっては、フジクラが長期的な取引関係を固定化するリスクが存在します。半導体・ネットワーク機器の観点では、Broadcom Inc.(AVGO)がデータセンター内ネットワーク用カスタムASICや光トランシーバ向けチップを供給しており、光インフラ整備の加速が同社製品の需要増にも直結します。
データセンター大型化で電力・冷却設備メーカーに生じる需要構造
データセンターは棟数が増えるだけでなく一棟あたりの規模も拡大するため、電力消費と発熱量が急増します。アジア各国での建設競争が本格化すれば、地域電力網のキャパシティ拡張が不可欠になります。この電力インフラ投資の文脈で、変電・電力制御機器を手がけるEaton Corp plc(ETN)は変圧器・配電盤の需要増が見込まれる位置にあります。電力会社側では、データセンターが集積するエリアの電力会社に大口需要が集中するため、沖縄電力(9511)や中国電力(9504)などの地域電力会社は供給増強投資の負担が先行するリスクを抱えます。
見落とされやすい冷却・モーター関連銘柄と施設運営会社へのリスク
データセンターの電力消費の大部分は冷却に充てられます。建屋が大型化するほど冷却装置・送風設備・熱交換器の需要が連鎖的に増加します。この流れを受けて、産業用モーターや冷却制御システムを主力とする安川電機(6506)は、データセンター向け設備投資の拡大局面で受注機会が広がる構造にあります。大規模DCの建設・運営では、空調システムや電力制御用サーボモーターが広く採用されており、安川電機の製品群はその中核を担います。また、冷却プラントなど大型設備の設計・据付を手がける三菱重工業(7011)もこの需要増の波に乗る位置にあります。一方、データセンター施設をリートとして運営するEQUINIX INC(EQIX)は、アジアでの自社施設拡充とハイパースケーラーの自社建設加速が競合関係になるリスクがあり、テナント獲得競争の激化という構造的な圧力に直面します。CISCO SYSTEMS, INC.(CSCO)についても、光ケーブルと接続機器の調達が内製化・専業ベンダー集中に向かうほど、汎用ネットワーク機器の採用余地が縮小する圧力が生じます。フジクラ受注は光ケーブルの話であると同時に、アジアのデータセンター建設地図が書き換わりつつあることを示す出来事です。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
住友電気工業(5802)
三菱重工業(7011)
安川電機(6506)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
Broadcom Inc.(AVGO)
Eaton Corp plc(ETN)
打撃を受ける可能性がある企業
古河電気工業(5801)
CISCO SYSTEMS, INC.(CSCO)
沖縄電力(9511)
中国電力(9504)
EQUINIX INC(EQIX)
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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