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著者: かぶてぃー|公開: 2026年8月25日|更新: 2026年8月25日

半導体装置販売35%増が示す市場拡大と東京エレクトロン・SCREEN関連銘柄への影響

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が2026年8月に公表した速報値によると、2026年7月の日本製半導体製造装置の販売高(5〜7月の3カ月移動平均ベース、輸出含む)は前年同月比35.4%増の5,562億2,000万円でした。広帯域メモリー(HBM)や先端DRAMおよび先端ロジック向けの設備投資が伸びており、中国向け販売も6月以降に回復基調へ転じています。SEAJは2026年度の同販売高を前年度比26.0%増の6兆5,502億円と予測しており、SEAJの2026年7月2日発表に基づけば今回の結果はほぼ予測通りのペースです。TSMCの2026年7月月間売上高が前年同月比45%増で過去最高を更新し31カ月連続プラス成長を達成したことも、装置需要の下支え要因として確認されています。

HBMと先端ロジック向け設備投資の拡大を背景に半導体装置市場の成長が続くなか、装置・素材の両面で恩恵を受ける東京エレクトロン(8035)への追い風が見込まれる一方、自動車・産業機器市場の低迷が長引くルネサスエレクトロニクス(6723)は投資サイクルから取り残されるリスクを抱えています。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もし現在の投資ペースが継続した場合、メモリー大手による設備投資が安定的に進み装置販売が緩やかに成長する

直接影響を受けるセクター

半導体・電子部品

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    メモリ投資加速

    HBM・先端DRAM向け設備投資が継続的に拡大

  2. 2
    装置部材需要増加

    半導体装置製造に必要な素材・部品の調達量増加

  3. 3
    特殊化学・素材市場拡大

    フッ化水素・特殊ガス・精密部品の需要が急増

  4. 4
    関連産業への波及

    素材メーカー→ガス供給→機械・FA→物流まで連鎖

半導体装置市場拡大の背景とSEAJ予測が示す成長軌道

HBMと先端DRAMへの投資拡大は、サムスン電子・SKハイニックス・マイクロン・テクノロジーといったメモリー大手が主導しています。SEAJが2026年7月2日に発表した需要予測では、2026年度の日本製半導体製造装置販売高を6兆5,502億円と見込んでおり、7月の実績値はほぼこの軌道に沿っています。SEMI(国際半導体製造装置材料協会)も2026年7月15日に、世界市場が前年比23.2%増の1,659億ドルに達するとの見通しを発表しており、市場拡大のシグナルが複数の統計から一致して確認できます。また、台湾財政部が2026年8月7日に公表したデータでは、台湾の7月輸出が前年同月比32.9%増となり電子部品・半導体が過去最高を更新しており、エンドユーザー側の需要が装置投資を後押しする構造が続いています。

東京エレクトロン・SCREENホールディングス・ASMLへの恩恵と関連銘柄の動き

こうした投資の積み上がりが直接恩恵をもたらすのが、エッチング・成膜工程で高いシェアを持つ東京エレクトロン(8035)と、半導体洗浄装置で世界需要を担うSCREENホールディングス(7735)です。両社はすでに「スーパーサイクル」入りを決算説明会で言及しており、東京エレクトロンは27%増、SCREENは33%増の業績伸び率を記録しています。極端紫外線(EUV)露光装置で市場を独占するASML(ASML)は先端ロジック投資の加速で受注積み上げが続いており、日本の装置メーカーとは相互補完の関係にあります。装置稼働台数の増加は工程材料の消費量に直結するため、高純度シリコンウェーハや特殊化学品を供給する信越化学工業(4063)にも需要増の構造が生じます。フッ化水素・特殊ガス・精密部品といった装置部材の調達量が増えるほど信越化学工業のような素材メーカーへの発注が増加する、という需要連鎖が半導体投資サイクルの常套パターンです。さらに、2026年8月に公表された工作機械受注データでは、7月の受注が前年同月比50〜51%増となり半導体製造装置関連向けが国内受注の中心を占めており、機械・FA産業への波及も数字として確認されています。

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見落とされやすいリスク側の銘柄構造—ルネサス・キオクシアの位置づけ

一方、恩恵側とは対照的な状況に置かれているのがルネサスエレクトロニクス(6723)です。同社は自動車・産業機器向けマイコンが主力であり、日経クロステックの報道でも確認されるように、自動車・産業機器市場の低迷を受けて減益局面が続いています。HBM・先端ロジック中心の今回の投資サイクルは同社の主力市場とは重ならず、装置投資の恩恵が直接及ばない構造を抱えています。キオクシアホールディングス(285A)については、2026年7月31日発表の2027年3月期第1四半期決算で売上収益が前年同期比415.5%増の1兆7,671億円を記録しており業績面は好転していますが、装置購入側として設備投資コストが増加するリスクも内包しています。ソニーグループ(6758)はCMOSイメージセンサー向けの設備投資で装置需要の一翼を担う一方、スマートフォン需要の動向次第でコスト増が収益を圧迫する局面が生じます。Advanced Energy Industries(AEIS)やLam Research(LRCX)は米国系装置・電源メーカーとして日本勢と市場を競合しており、中国向け比率の回復局面では規制リスクが業績変動要因として残ります。

恩恵を受ける可能性がある企業

東京エレクトロン8035

根拠エッチング・成膜工程で世界トップシェアを持つ東京エレクトロンは、HBM・先端DRAMおよびAIサーバー向け先端ロジック投資の拡大を直接受け取る立場にあります。SEAJの2026年度予測(前年度比26%増・6兆5,502億円)およびSEMIの世界市場予測(前年比23.2%増・1,659億ドル)が示す成長軌道の中で、同社は直近決算で27%増の業績伸び率を記録しており、スーパーサイクルの中心的受益者として受注残が積み上がります。
経路HBM・先端ロジック投資拡大(メモリー・ファウンドリーのCapEx増)エッチング・成膜装置の受注増加(市場シェア首位で直接捕捉)売上高・営業利益の拡大(直近27%増の伸び率が継続)

SCREENホールディングス7735

根拠SCREENホールディングスは半導体洗浄装置で世界需要の主要部分を担っており、HBM製造工程では積層数増加に伴い洗浄ステップ数が増えるため装置稼働・追加導入ニーズが高まります。生成AI向け高性能メモリー需要の急拡大を背景に直近決算で33%増の業績伸び率を達成しており、SEAJ予測が示す2026年度の市場規模拡大がさらなる受注増を押し上げます。スーパーサイクルを決算説明会で公式に言及するほど需要視界は良好です。
経路HBM積層数増加(洗浄工程ステップ数の拡大)洗浄装置の追加発注増加(世界シェア上位として需要を直接捕捉)売上高・利益の拡大(直近33%増の伸び率が持続)

ASML HOLDING NVASML

根拠EUV露光装置市場を事実上独占するASML HOLDING NVは、先端ロジック(2nm以降)およびHBM向け先端DRAM投資の加速で受注積み上げが続きます。SEMI予測(2026年世界市場前年比23.2%増)が示す通り、ファウンドリー・メモリー各社がCapExを拡大するなかで代替品が存在しないEUV装置への需要は一段と高まり、受注残の増加が売上計上の確実性を高めます。台湾の7月輸出が前年同月比32.9%増と過去最高を更新するなど、エンドユーザー需要の強さが投資継続を裏付けます。
経路先端ロジック・HBM向けCapEx拡大(2nm以降ノード投資の集中)EUV装置への独占的需要増加(代替品不在で全量をASMLが捕捉)受注残積み上げと売上・利益の拡大

信越化学工業4063

根拠信越化学工業は高純度シリコンウェーハで世界最大のシェアを持ち、半導体製造装置の稼働台数増加は工程材料であるウェーハ・特殊化学品の消費量増加に直結します。装置投資拡大→装置稼働増→ウェーハ・プロセス材料の発注増という需要連鎖は半導体投資サイクルの常套パターンであり、2026年度の日本製装置販売高が6兆5,502億円規模に達する局面では素材需要も同方向に拡大します。フッ化水素・特殊ガス・精密部品といった装置部材需要の増加も信越化学の受注を押し上げます。
経路半導体製造装置の稼働台数増加(SEAJ予測・装置市場前年比26%増)シリコンウェーハ・特殊化学品の消費量増加(工程材料需要が装置稼働に連動)信越化学工業の出荷数量・売上の拡大

打撃を受ける可能性がある企業

ルネサスエレクトロニクス6723

根拠ルネサスエレクトロニクスは自動車・産業機器向けマイコン・SoCが売上の大半を占めており、今回のHBM・先端ロジック中心の投資サイクルとは主力市場が重なりません。自動車・産業機器市場はWSTSデータでも弱含み傾向が続いており、同社は四半期ベースの減益局面が継続しています。装置投資拡大の恩恵が直接及ばない一方、製造コスト上昇分は自社で吸収せざるを得ず、競合他社との価格競争が利益率をさらに圧迫します。
経路HBM・先端ロジック中心の投資サイクル(自動車・産業向けとは無関係)主力市場(自動車・産業機器)の低迷継続(需要回復の恩恵波及なし)減益局面の長期化と収益改善余地の縮小

キオクシアホールディングス285A

根拠キオクシアホールディングスは2027年3月期第1四半期に売上収益が前年同期比415.5%増の1兆7,671億円を記録するなど業績は急回復していますが、装置購入側として今回の設備投資ブームのコスト上昇を直接受けます。SEAJが示す2026年度市場規模拡大(前年度比26%増)の局面では装置単価・調達コストが高止まりし、積極的なCapEx投下が財務負担を増大させます。競合するサムスン・SKハイニックスとの装置争奪戦が調達コストをさらに押し上げるリスクがあります。
経路半導体装置市場のスーパーサイクル(装置需要が供給を上回る局面)装置調達コスト上昇・リードタイム長期化(装置購入側として直接コスト増)積極CapExが財務負担を増大させ利益率を圧迫

ADVANCED ENERGY INDUSTRIES INCAEIS

根拠Advanced Energy Industriesは半導体製造装置向け電源・精密電力制御ユニットを供給する米国系メーカーであり、東京エレクトロン・Lam Researchなど大手装置メーカーとは市場を一部競合・依存する関係にあります。中国向け装置・部品輸出規制の継続により中国市場向け売上比率の回復が制限されており、規制強化が新たな局面に入るたびに業績変動リスクが高まります。装置メーカーの垂直統合化が進むと外販比率が低下し、独立電源サプライヤーとしての市場地位が縮小します。
経路対中輸出規制の継続・強化(電源ユニット類も規制対象に含まれるリスク)中国向け売上回復の制限(大口市場へのアクセス喪失が継続)業績変動リスクの高止まりと市場シェア縮小圧力

ソニーグループ6758

根拠ソニーグループはCMOSイメージセンサーで世界トップシェアを持ち、センサー製造向け設備投資で装置需要の一翼を担いますが、装置購入側として装置市場のスーパーサイクル局面ではCapExコストが上昇します。主要顧客であるスマートフォンメーカーの需要動向が不安定な局面では、イメージセンサー部門の稼働率低下とコスト増が同時に発生し収益を圧迫します。装置調達コストの高止まりが設備投資計画の見直しを迫り、競合との技術投資競争における機動性を低下させます。
経路装置市場スーパーサイクル(装置単価・調達コスト上昇)CMOSセンサー製造ラインのCapExコスト増加(装置購入側として直接負担)スマートフォン需要軟化時に稼働率低下とコスト増が重なり収益圧迫

LAM RESEARCH CORPLRCX

根拠Lam Research Corpはエッチング・薄膜成膜装置で東京エレクトロンと世界市場を直接競合しており、日本勢の受注拡大局面では市場シェア争いが激化します。中国向け輸出規制により同社の大口市場である中国向け売上が制限されており、規制が継続・強化される局面では代替市場での補填が必要となりコスト構造を悪化させます。日本製装置メーカーが政府支援・サプライチェーン優位を背景にシェアを拡大すると、Lam Researchの受注獲得余地が縮小します。
経路対中輸出規制の継続(中国向け装置売上の上限制約が持続)東京エレクトロン等日本勢との市場シェア競争激化(規制外市場での競合が強まる)売上成長の上限制約と収益改善余地の縮小
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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