ホンダのダイヤモンド半導体がEV復活の鍵——関連銘柄と東京エレクトロンへの影響
日本経済新聞(NIKKEIポッドキャスト)は、ホンダが「究極の半導体」と称されるダイヤモンド半導体の電気自動車(EV)世界初搭載を目指して研究開発を進めていると報じています。ホンダはかつてSiC(炭化ケイ素)パワー半導体においても世界初のEV搭載を実現した実績を持ちます。同社は2030年代のEV時代を見据え、NIKKEI Mobilityの解説によれば電力変換効率の大幅な向上を核心的な狙いとしています。現時点でダイヤモンド半導体は研究・開発段階にあり、量産化の実現時期は未定です。
ホンダ(7267)がダイヤモンド半導体のEV世界初搭載を目指すことで、製造装置を供給する東京エレクトロン(8035)への恩恵が見込まれる一方、従来型パワー半導体依存のEV戦略を続ける日産自動車(7201)やGeneral Motors(GM)はパフォーマンス競争での出遅れリスクを抱えています。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もしホンダが世界初搭載を実現し量産化に成功した場合、EV性能競争の主導権を握り次世代車市場での地位が強化される。
直接影響を受けるセクター
半導体・電子部品AIが連想した波及の流れ
- 1ダイヤモンド半導体搭載
EV電力変換効率が大幅向上
- 2EV駆動系の高効率化
冷却・放熱負荷が大幅削減
- 3冷却装置・部品需要増
小型軽量冷却システムの大量搭載へ
- 4自動車サプライチェーン拡大
熱管理部品・精密加工品の調達増
- 5製造設備・治工具需要
次世代EV部品の量産対応設備投資
- 6エネルギー効率向上
急速充電・バッテリー冷却技術革新
ダイヤモンド半導体がEV駆動系にもたらす技術的変化
ダイヤモンド半導体が持つ最大の特長は、SiCと比べてもさらに大きなバンドギャップと、シリコンの約22倍とされる熱伝導率です。この物性の組み合わせにより、EVのインバーターやコンバーターで発生するスイッチングロスが大幅に削減されます。冷却・放熱への負荷そのものが下がるため、現在のEVで重量・コスト・スペースの大きな制約となっている冷却装置を小型化・軽量化できる構造が生まれます。ホンダはSiCパワー半導体でEV世界初搭載を実現した実績(NIKKEIポッドキャスト報道)を持ち、この知見をダイヤモンド半導体の研究開発に積み上げています。量産化が実現した場合、同一バッテリー容量のまま航続距離を伸ばす、あるいは同一性能をより小型のバッテリーで達成するという選択肢がEVメーカーに開かれます。
トヨタ自動車(7203)もダイヤモンドを含む次世代パワー半導体の研究に取り組んでおり、ホンダとの開発競争が激化すれば、製造プロセス装置の需要が業界全体で拡大します。東京エレクトロン(8035)はSiC・GaN向けのCVD装置やエッチング装置を供給する国内最大手の半導体製造装置メーカーであり、ダイヤモンド半導体の成膜プロセス向けにも装置需要が発生する位置にあります。
EV関連銘柄への影響——恩恵と出遅れの構造
ダイヤモンド半導体が量産段階に入れば、自動車サプライチェーンの調達構造が変わります。なぜなら、冷却負荷の削減によって熱管理部品・精密加工品の仕様そのものが刷新されるからです。現行のSiCベース設計に最適化された部品・製造ラインを抱えるサプライヤーには再設計コストが発生します。
Analog Devices(ADI)が供給するゲートドライバICやシャント抵抗など電流検出系の部品も、ダイヤモンド半導体の高温・高周波動作環境に対応した再設計が必要になります。NITTOKUが得意とするコイル巻線装置も、モーター設計の変更に伴い仕様見直しの圧力を受けます。マキタ(6586)はリチウムイオンバッテリーと現行パワー半導体を前提とした電動工具のプラットフォームを展開しており、ダイヤモンド半導体の普及がコンシューマー領域に波及した局面では既存設計の陳腐化リスクが生じます。
日産自動車(7201)とGeneral Motors(GM)は、現時点のEV戦略においてSiCを中心としたパワー半導体ロードマップを公表しています。ホンダがダイヤモンド半導体で性能上の優位を確立した場合、両社のEV戦略は出遅れの評価を受ける構造が顕在化します。スズキ(7269)は小型車・新興国市場向けのコスト優先設計を基軸としており、次世代半導体への移行コストへの対応力が市場から問われる局面が生まれます。
見落とされやすい日本信号——交通インフラ側の需要
意外な影響先として記録されるのが日本信号(6741)です。EVの普及と高効率化が進めば、急速充電インフラの整備需要が拡大し、交通・モビリティ管理システムと充電インフラの統合ニーズが高まります。日本信号は鉄道・道路の交通制御システムで高いシェアを持ち、スマートモビリティ領域でのシステム統合案件への関与が想定される構造があります。ダイヤモンド半導体によるEV高性能化がインフラ整備を加速させるシナリオにおいて、同社は川下側のニッチな受益者として位置します。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
トヨタ自動車(7203)
東京エレクトロン(8035)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
日本信号(6741)
打撃を受ける可能性がある企業
日産自動車(7201)
スズキ(7269)
General Motors Co(GM)
NITTOKU(6145)
マキタ(6586)
ANALOG DEVICES INC(ADI)
Chainvest
気になるニュース、毎回調べるの疲れていませんか?
ニュースを貼るだけで、波及銘柄が3秒で見えます。
Chainvestを試す関連記事
記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
X: @kabuteer →