日本化学工業の赤リンがデータセンター基板を支える——関連銘柄への影響
日本経済新聞は2026年9月、AIデータセンターの光通信を支えるインジウムリン(InP)基板の原料となる超高純度赤リンを製造できる企業が世界で2社に限られると報じました。その一社が日本化学工業(福島県三春町・福島第二工場)です。市場調査会社マーケットリサーチセンターが2026年10月5日に発表したレポートによれば、世界の半導体用電子グレード赤リン市場は2025年の352万米ドルから2032年には441万米ドルへ拡大すると予測されています。もう一方の主要メーカーはラサ工業(4022)で、同社はInP基板向けのインジウム・赤リン・酸化ホウ素を手掛けるとともに、半導体向け高純度リン酸(エッチング液)ではグローバルトップシェアを持ちます。
超高純度赤リンの製造が世界2社に集中する供給構造のもと、InP基板で世界シェア4割を持つ住友電気工業(5802)への恩恵が見込まれる一方、赤リン供給の代替材料開発が進まない局面では、同原料に依存するラサ工業(4022)がコスト・競合両面でリスクを抱える可能性があります。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
赤リン供給が現状維持されたまま、海外メーカーの参入や代替材料開発が限定的に進む状況が続く
直接影響を受けるセクター
半導体・電子部品AIが連想した波及の流れ
- 1赤リン供給逼迫
インジウムリン基板製造の原料不足が顕在化
- 2データセンター冷却需要増
AI処理による熱発生増加で冷却液需要が加速
- 3冷媒・冷却液市場拡大
高性能冷却液・熱管理材料への需要シフト
- 4電力消費増加
大規模データセンター稼働で電力需要が倍増
- 5電力インフラ投資加速
変電設備・送電網の強化工事が急増
- 6建設・電気工事需要拡大
データセンター施設の拡張工事が全国で展開
- 7建設資材・特殊部品需要増
耐熱配管・高性能絶縁材料の調達が増加
赤リン・InP基板の供給構造とデータセンター基板素材への影響
AIデータセンター内の光通信モジュール(光トランシーバー)には、電子移動度が高いInP基板が不可欠です。その原料となる超高純度赤リンを生産できるのは、東洋経済 2026年9月8日が報じたように、世界でもごく限られたプレイヤーのみです。マーケットリサーチセンター 2026年10月5日によれば、この市場は2025年の352万米ドルから2032年には441万米ドルへ拡大する見通しで、需要の伸びに対して供給増加が追いつきにくい構造があります。
ラサ工業(4022)はInP基板向けのインジウム・赤リン・酸化ホウ素を手掛け、加えて半導体向け高純度リン酸(エッチング液)でグローバルトップシェアを持ちます(Twitter/1p_semicon 2026年5月14日)。赤リン供給が現状維持のまま代替材料開発が限定的にとどまる局面では、ラサ工業は既存ポジションを維持しながらも、価格交渉力や調達コスト面での競合圧力を受けます。住友化学(4005)がGaN on GaNウエハでデータセンターサーバー向け用途を狙う動きを見せており(住友化学 2024年11月20日)、InP以外の代替基板材料が普及すればラサ工業の需要基盤に影響が生じます。
住友電気工業・InP基板関連銘柄への恩恵
InP基板の量産を担う企業として、東洋経済 2026年9月8日はJX金属と住友電気工業(5802)が世界シェアのそれぞれ約4割、合計8割を占めると報じています。住友電気工業は2026年6月時点で光通信向け半導体材料の生産を3倍に引き上げる計画を打ち出しており(日本経済新聞 2026年6月)、赤リン供給が安定する限り増産恩恵を直接享受します。TDK(6762)や日本エアーテック(6291)のような電子部品・クリーンルーム設備メーカーは、基板製造ラインの拡張に伴う設備投資増で需要を取り込む一方、サプライチェーン競合が激化すれば調達コスト上昇リスクも抱えます。
データセンター内のAI処理が発する熱量の増大は冷却設備への投資を加速させます。オルガノ(6368)は半導体製造プロセスに必要な超純水の供給で実績を持ち(Note 2026年4月1日)、データセンター向け水処理システムの需要拡大に直結するポジションにあります。日本金属(5491)は耐熱・高性能金属素材の調達先として建設・設備工事フェーズで存在感を持ちます。
データセンター建設・電力インフラ株への見落とされやすい影響
国内のデータセンター建設は2028年に5兆円超の規模に達した後も2030年代まで需要が続くとされており(Arc-Navi 2026年5月19日)、施設整備や電力インフラへの投資が長期にわたって続く構造があります。こうした建設需要の受け皿として鹿島建設(1812)は大規模データセンター施設の施工実績を積み重ねており、InP基板の量産拡大が設備投資を呼び込むほど、電気工事・空調・耐熱配管の発注も増加します。
電力消費の急増は変電設備・送電網の強化工事を促し、関西電力(9503)のような電力会社は大口電力需要の取り込みという形で収益機会が広がります。ノーリツ(5943)のような熱管理機器メーカーは、データセンター向け業務用冷熱システムの需要シフトが読めるかどうかが鍵になります。世界のデータセンター用PCB市場が2025年の3億4,200万米ドルから2032年に5億5,700万米ドルへ成長するとの予測(マーケットリサーチセンター 2026年9月17日)が示すように、基板需要の拡大は素材・設備・インフラの各層に順に圧力をかけていきます。
恩恵を受ける可能性がある企業
直接影響を受ける企業
住友電気工業(5802)
日本金属(5491)
オルガノ(6368)
関西電力(9503)
意外な波及(連想チェーン2手目以降)
鹿島建設(1812)
打撃を受ける可能性がある企業
ラサ工業(4022)
住友化学(4005)
TDK(6762)
日本エアーテック(6291)
ノーリツ(5943)
Chainvest
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- 半導体用電子グレード赤リンの世界市場(2026年~2032年)、市場規模(5N、6N、その他)・分析レポートを発表
- ラサ工業 > 半導体向け高純度リン酸(エッチング液) ...
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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