ナフサ不足で建設・塗料業界に何が起きるか|関連銘柄への影響を整理
2026年2月のホルムズ海峡封鎖を受け、経済産業省は中東以外からのナフサ調達への切り替えを発表しました。日本はナフサ輸入量の約4割を中東に依存しており、2026年1月時点の実在庫は約0.45ヶ月分(138万5,515kL)まで落ち込んでいます。日本石油化学工業協会のデータによれば、2026年2月のエチレン生産量は前月比23%減の334,200トンと過去最低を記録し、ナフサ分解装置の稼働率は75.7%まで低下しました。帝国データバンクが2026年4月30日に発表した食料品価格動向調査では、値上げ要因として「包装資材」が7割と調査開始以来の最高比率となり、6月にも値上げラッシュが再燃する懸念が示されています。
ナフサ供給逼迫で原料調達コストが急騰するなか、エチレン関連化学品を手掛ける三菱ケミカルホールディングス(4188)はタイトな需給環境が製品価格の押し上げ要因になる一方、建築用シンナーを75%値上げした日本ペイント・ホールディングス(4612)は原料高による利幅圧迫リスクを抱えています。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もし中東情勢の悪化が続きナフサ供給が逼迫した場合、バナナやワクチンなど生活必需品の品薄化が深刻化し消費現場が混乱する。
直接影響を受けるセクター
建設・インフラAIが連想した波及の流れ
- 1ナフサ供給逼迫
中東情勢悪化で石油精製品調達難化
- 2塗料・建材品薄
ナフサ由来製品の生産減少・価格上昇
- 3建設工期延伸
資材調達難で施工スケジュール圧迫
- 4建設需要減少
工期延伸で新規着工判断の見直し・延期
- 5鋼材・セメント需要減
建設減速で素材セクター全体へ波及
- 6鉱業・運搬稼働低下
セメント・骨材搬出量減で鉱山・物流需要減
- 7装置・重機産業へ波及
建設機械・運搬機械の稼働率・受注低迷
ナフサ価格上昇が建設資材を直撃する仕組み
ナフサは石油を精製する過程で得られる原料で、エチレン・プロピレンなどの基礎化学品に分解されます。これらは塗料・断熱材・配管用樹脂・防水シートなど、建設現場で使われる素材のほぼすべての出発点です。SDKI調査レポート(2026年4月13日)によれば、三菱ケミカルグループ(4188)、三井化学、旭化成などの大手化学メーカーはすでにエチレン工場の生産量を抑制しており、建材メーカーへの原料供給が細り始めています。
最も直接的な打撃を受けているのが塗料メーカーです。日本経済新聞(2026年3月25日)によれば、日本ペイント・ホールディングス(4612)はナフサ由来の溶剤(シンナー)製品を75%値上げすると発表しました。コスト上昇分の価格転嫁を図る動きですが、建設現場での需要が萎縮すれば販売数量の減少という二重の圧力に直面します。一方、エチレンや関連化学品の市況が締まる局面では、製品スプレッドの改善余地が生まれる側面もあり、三菱ケミカルグループ(4188)や東洋インキSCホールディングス(4635)のような原料川上に近い化学メーカーにとっては需給タイト化が製品価格の下支えにつながる構造があります。
建設工期の遅延がコマツ・Caterpillarの受注に及ぼす影響
塗料・断熱材・防水シートが入手困難になると、施工の順序が崩れ工期全体が延伸します。ブルームバーグ(2026年4月30日)は業界団体の声として「工事中止や遅延は不可避」と報じており、新規着工の判断を先送りする動きが広がっています。着工件数が減少すれば、鋼材・セメントの需要が減り、その搬出を担う鉱山・物流の稼働も落ちます。
この連鎖の末端に位置するのが建設機械です。コマツ(6301)は日本経済新聞(2026年4月28日)が「27年3月期純利益16%減、中東影響で需要減・燃料費増」と報じたように、中東・アジアを中心とした建設需要の落ち込みがすでに業績に表れています。世界最大の建設機械メーカーであるCaterpillar Inc.(CAT)も同様に、資材調達難に起因する建設投資の鈍化が受注の重荷になる構造を抱えています。
見落とされやすいインク・接着剤メーカーへの影響
建設セクターを語るとき、インクや接着剤メーカーはほとんど話題に上りません。しかしナフサ由来の顔料分散剤・樹脂バインダーは、建材の表面処理や目地シール材にも広く使われています。東洋インキSCホールディングス(4635)(現社名:artience)はインキ・機能性材料を主力とし、ナフサ系原料を幅広く使用しています。2023年時点ではナフサ価格下落が利益率改善に寄与したとの記録がある一方、2026年の逼迫局面では原料調達コストの上昇が利幅を圧迫する方向に作用します。
帝国データバンクのプレスリリース(2026年4月21日)は、ナフサ不足による調達リスクが国内製造業の3割・4万社超に波及すると試算しており、建設・素材・食品を横断した広範な影響の広がりを示しています。建設現場の資材不足という「上流の詰まり」が、重機稼働・インフラ投資・化学品需給というまったく異なる指標を通じて株価に連動する点は、ナフサ関連銘柄を検討するうえで意識しておきたい経路です。
恩恵を受ける可能性がある企業
三菱ケミカルホールディングス(4188)
東洋インキSCホールディングス(4635)
打撃を受ける可能性がある企業
日本ペイント・ホールディングス(4612)
コマツ(6301)
Caterpillar Inc.(CAT)
Chainvest
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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