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著者: かぶてぃー|公開: 2026年7月8日|更新: 2026年7月8日

厚労省300億円創薬基金で恩恵を受ける関連銘柄|ペプチドリーム・中外製薬・塩野義製薬の動き

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厚生労働省は創薬スタートアップを支援する300億円規模の基金を創設する方針を固め、日本経済新聞が2025年1月24日に報じました。基金は国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」に設置される予定で、2026年度からの3年間で厚労省が241億円を確保するほか、製薬会社からの任意寄付を組み合わせて運営します。さらに内閣府健康・医療戦略推進事務局が2026年1月21日に公表した資料によれば、令和7年度補正予算では経産省の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に3,500億円が別途計上されており、国としての創薬支援は複数の省庁を横断した大規模パッケージとなっています。AMEDは認定VCによる出資を条件に、非臨床試験から第2相臨床試験段階の創薬ベンチャーへの資金供給をすでに実施中です

厚労省の300億円創薬基金と経産省の大規模支援パッケージにより、ペプチド創薬プラットフォームを持つペプチドリーム(4587)への需要拡大が見込まれる一方、既存の医薬品流通・OTC市場を主軸とするロート製薬(4527)は資金・人材がスタートアップ側にシフトするリスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

もし拠点整備と継続的な支援が軌道に乗った場合、日本発の革新的医薬品が国際競争力を持ち創薬エコシステムが成熟する。

直接影響を受けるセクター

医療・ヘルスケア

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    300億円基金創設

    創薬スタートアップへの継続的資金供給開始

  2. 2
    研究拠点整備加速

    医薬品開発施設・機器の需要急増

  3. 3
    医薬用素材・原料供給拡大

    スタートアップ数増加に伴う原料調達量増

  4. 4
    精密化学品・分析機器需要増

    医薬品製造プロセスの品質管理強化

  5. 5
    製造設備・分析装置の受託製造

    カスタム仕様装置の小ロット製造需要

  6. 6
    物流・冷凍冷蔵インフラ整備

    医薬品流通の温度管理厳格化

創薬スタートアップ支援300億円基金で何が変わるか

厚生労働省が整備する300億円規模の基金は、研究開発の早期段階から実用化まで「切れ目のない支援」を設計した点が特徴です。内閣府健康・医療戦略推進事務局が2026年1月21日に公表した資料によれば、令和7年度補正予算では厚労省の「革新的医薬品等実用化支援基金事業」に481億円、経産省の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に3,500億円が計上されており、国費ベースで1,800億円程度のパッケージが動き始めています。経済産業省も創薬ベンチャーエコシステムの強化策として、欧米比で開発資金を確保しにくい現状の是正を明確に掲げています。

この構造が生み出す最初の変化は、国内の創薬スタートアップ数の増加です。資金供給の安定化はベンチャー設立のハードルを下げ、研究拠点への設備投資需要を直接押し上げます。恩恵を受ける大手として、GLP-1受容体作動薬の米FDA承認(2026年4月1日)でグローバルな創薬力を示した中外製薬(4519)や、鳥居薬品の完全子会社化で低分子創薬を強化する塩野義製薬(4507)が挙げられます。両社は基金の寄付主体として名前が挙がる可能性があるとともに、スタートアップとの共同研究・導出先としての役割も担います。

ペプチドリーム株への影響と創薬バイオベンチャー関連銘柄の動き

注目すべきは、大手よりもプラットフォーム型のバイオベンチャーへの影響です。ペプチドリーム(4587)は2006年に東大発バイオベンチャーとして創業し、SciencePortalが2025年10月17日に報じたように、「ペプチド創薬のグローバルハブ」としての地位を確立しています。同社はすでに塩野義製薬と複数のペプチド-薬物複合体創製に向けた包括的な共同研究契約を締結しており、日本経済新聞が2019年1月に報じたこの連携は創薬エコシステム内での位置づけを示す典型例です。スタートアップ数が増えれば、ペプチド技術のライセンス先・共同研究先が増加するという構造が働きます。

精密化学品メーカーの日本化学工業(4092)は、医薬用素材・原料の供給増という経路で恩恵が生じます。スタートアップの増加は小ロット・高純度原料の調達量を押し上げ、既存の大ロット供給体制とは異なる柔軟な対応力を持つメーカーへの引き合いが強まります。

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見落とされやすい分析機器・素材メーカーへの影響

投資家がまず注目しない領域として、分析機器メーカーへの波及があります。医薬品製造プロセスでは品質管理の厳格化が求められ、スタートアップが新たに拠点を構えるたびにHPLC・質量分析計・分光光度計といった機器が導入されます。島津製作所(7701)はこうした分析機器の国内最大手として、創薬拠点の新設ラッシュが続く局面で安定した機器需要を取り込む位置にあります。

さらに意外な候補として日本特殊陶業(5334)が浮かびます。同社はセンサー・点火プラグのイメージが強いものの、精密セラミックス技術を活かした医療・分析機器向け部品を手がけており、カスタム仕様の小ロット部品を必要とする創薬スタートアップ向け装置の受託製造という需要経路が存在します。

一方で、この流れが逆風になりうる企業もあります。OTC医薬品・化粧品主体のロート製薬(4527)は2026年3月期に売上高3,437億円・営業利益411億円と好決算を記録しましたが、国の資金・人材が革新的創薬側へシフトする構造は、既存事業モデルとの競合というよりも優秀な研究人材の採用競争激化という形で間接的な圧力となります。日本オラクル(4716)については、創薬データ管理クラウドの領域で国産・専門特化型ソリューションへの置き換え圧力が高まる可能性があり、スタートアップエコシステムの拡大は必ずしも既存の汎用ITベンダーへの追い風にはなりません。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

中外製薬4519

根拠中外製薬は2026年4月1日に経口GLP-1受容体作動薬「オルホルグリプロン(Foundayo)」の米FDA承認を取得し、イーライ・リリーへの導出で最大3億9,000万ドルのマイルストーンとロイヤルティ収入を獲得する権利を持ちます。国が1,800億円規模の創薬パッケージを整備する局面では、グローバル創薬力を実証済みの同社が基金の寄付主体・共同研究先として選定される機会が増加します。スタートアップとの導出契約拡大が収益の上積みに直結します。
経路国費1,800億円規模の創薬支援パッケージ始動(スタートアップ数増加)中外製薬が共同研究・導出先として選定機会増大(FDA承認実績が信用力に直結)マイルストーン・ロイヤルティ収入の上積み(最大3億9,000万ドル規模の契約モデルが横展開)

塩野義製薬4507

根拠塩野義製薬は鳥居薬品の完全子会社化(買収総額1,600億円規模)で低分子創薬パイプラインを強化し、計28本のパイプラインを擁します。国の創薬エコシステム強化策が始動すると、基金の寄付主体として名前が挙がる可能性が高まるとともに、ペプチドリームとの包括的共同研究契約に代表されるオープンイノベーション戦略の活用機会が拡大します。スタートアップへの共同研究投資が増えるほど、豊富なパイプラインとのシナジーが加速します。
経路創薬スタートアップ支援基金の整備(設立企業数の増加)塩野義製薬が共同研究・導入先として接触機会を拡大(28本パイプライン×低分子強化戦略が誘引力に直結)鳥居薬品統合後の創薬基盤強化とパイプライン充実(M&A投資効果の加速)

日本化学工業4092

根拠日本化学工業は医薬用素材・精密化学品原料の供給メーカーとして、小ロット・高純度品への対応力を持ちます。創薬スタートアップが新設されるたびに、研究初期段階で必要となる小ロット・高純度原料の調達量が増加します。大ロット供給体制の大手に比べ、柔軟な対応力を持つ同社への引き合いが強まり、医薬用素材の販売数量と単価が上昇します。スタートアップ増加は同社の医薬品原料セグメントの売上を直接押し上げます。
経路創薬スタートアップの設立増加(基金による研究拠点の新設ラッシュ)小ロット・高純度医薬用原料の調達需要が増加(大手では対応しにくい柔軟供給力が競争優位に直結)医薬用素材セグメントの販売数量・売上高の拡大

島津製作所7701

根拠島津製作所はHPLC・質量分析計・分光光度計など分析機器の国内最大手として、医薬品製造プロセスの品質管理機器市場を主導します。創薬スタートアップが新たに研究拠点を構えるたびに、品質管理・分析工程に必須の機器導入需要が発生します。スタートアップ設立ラッシュが続く局面では、機器販売とアフターサービス(保守・試薬)の両面で安定した需要を取り込み、分析計測セグメントの売上が拡大します。
経路創薬スタートアップの研究拠点新設増加(国費1,800億円規模パッケージの始動)HPLC・質量分析計等の分析機器導入需要が増加(品質管理の厳格化要件が機器購入を義務付け)分析計測セグメントの機器販売・保守サービス収益が拡大

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

ペプチドリーム4587

根拠ペプチドリームは東大発バイオベンチャーとして「ペプチド創薬のグローバルハブ」の地位を確立しており、塩野義製薬とペプチド-薬物複合体創製に向けた包括的共同研究契約を締結した実績を持ちます。創薬スタートアップ数が増加すると、独自のペプチド創製プラットフォームのライセンス先・共同研究先が直接増加し、ライセンス収入と研究協力費が積み上がります。国内エコシステム拡大は同社のプラットフォーム技術の利用頻度を高め、収益拡大に直結します。
経路創薬スタートアップ数の増加(基金による設立ハードル低下)ペプチド技術プラットフォームへのライセンス・共同研究需要が増加(グローバルハブとしての実績が引き合いを加速)ライセンス収入・マイルストーン収入の複数案件積み上げ(塩野義との実績モデルが横展開)
意外な波及

日本特殊陶業5334

根拠日本特殊陶業は精密セラミックス技術を活かした医療・分析機器向けカスタム部品を手がけており、セラミックス素材の高耐熱・高耐食性が創薬分析装置に求められる精密部品に適合します。創薬スタートアップが増加すると、カスタム仕様の小ロット精密部品を必要とする分析・製造装置の受託製造需要が拡大します。汎用品では代替しにくい高精度セラミックス部品の引き合いが増加し、医療・産業機器向け部品セグメントの受注が積み上がります。
経路創薬スタートアップ向け分析・製造装置の導入増加(研究拠点新設ラッシュ)カスタム仕様の精密セラミックス部品への受託製造需要が拡大(高耐熱・高耐食性が代替困難な競争優位に直結)医療・産業機器向けセラミックス部品セグメントの受注・売上拡大

打撃を受ける可能性がある企業

ロート製薬4527

根拠ロート製薬は2026年3月期に売上高3,437億円・営業利益411億円と好決算を記録しましたが、事業の主軸はOTC医薬品・化粧品です。国が1,800億円規模の創薬パッケージで革新的創薬側へ資金と人材を集中させる構造が進むと、優秀な研究人材の採用競争が激化します。OTC・化粧品主体で処遇面の訴求力が限られる同社では、研究職の採用難・離職増が中長期的な研究開発力の低下につながります。
経路国費1,800億円規模の創薬支援パッケージ始動(革新的創薬側への人材需要急増)優秀な研究人材の採用競争が激化(創薬スタートアップ・大手製薬との待遇競合が深刻化)OTC・化粧品主体のロート製薬で研究職採用難・離職増が研究開発力を低下

日本オラクル4716

根拠日本オラクルは創薬・臨床試験データ管理領域で汎用クラウドソリューションを提供しますが、創薬エコシステムの拡大に伴い、国産・専門特化型の創薬データ管理ソリューションへの置き換え圧力が高まります。スタートアップエコシステムが拡大すると、コスト効率・規制対応力・国内サポート体制を重視するスタートアップが汎用ITベンダーではなく専門特化型を選択する比率が上がり、同社の新規顧客獲得機会が減少します。
経路創薬スタートアップエコシステムの拡大(AMEDによる採択案件の増加)国産・専門特化型の創薬データ管理クラウドへの需要がシフト(コスト効率・規制対応力・国内サポートが選定基準に直結)日本オラクルの汎用クラウドへの新規顧客獲得機会が減少し既存顧客の置き換えリスクが上昇
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記事制作者

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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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