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著者: かぶてぃー|公開: 2026年6月1日|更新: 2026年6月1日

スペースX上場で宇宙ビジネス市場規模は2035年に280兆円へ拡大——三菱重工業・IHI・日本特殊陶業まで広がる2035年の恩恵

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日本経済新聞は2026年6月1日、宇宙ビジネスの市場規模が2035年に280兆円へ達するとの見通しとともに、スペースX(SPCX)のIPOを契機に国内関連銘柄への資金流入が進んでいると報じました。スペースXは米SECへのIPO申請を経て、2026年6月12日にナスダック市場へ上場する予定で、企業価値は約2兆ドル(約318兆円)と試算されています。国内では政府が2023年6月の閣議決定で宇宙産業市場規模を2020年の4兆円から2030年代早期に8兆円へ倍増する目標を掲げており、高市政権の重点投資対象17分野にも「宇宙」が明記されています。経済産業省が令和6年3月に公表した資料によれば、モルガン・スタンレーは世界の宇宙産業が2040年までに140兆円規模になると予測しています。

スペースX IPOを機に宇宙産業の市場規模が2035年に280兆円へ拡大する構造が明確になり、H3ロケットの打ち上げ主体でもある三菱重工業(7011)への受注・量産需要が見込まれる一方、スターリンク対抗の衛星サービス投資を抱えるソフトバンクグループ(9984)はコスト競合リスクを抱えます。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

スペースXのIPO成功をきっかけに、国内外の民間企業が段階的に参入し、2035年に向けて市場規模280兆円に到達する。

直接影響を受けるセクター

防衛・航空宇宙

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    衛星打ち上げ需要急増

    スペースXIPO控え民間宇宙参入加速

  2. 2
    衛星コンステレーション展開

    通信・地球観測衛星数千機の配置進行

  3. 3
    衛星通信インフラ整備

    地上局・受信設備・通信ネットワーク構築

  4. 4
    データセンター需要増

    衛星データ処理・リアルタイム配信基盤

  5. 5
    電力供給・冷却システム

    大規模データセンター運営に必須インフラ

  6. 6
    部品調達・素材供給

    冷却・電源・耐環境部品の大量需要

  7. 7
    波及セクター拡大

    電力・物流・素材企業への連鎖波及

スペースX上場と宇宙産業市場規模2035年280兆円への道筋

日本経済新聞 2026年6月1日が報じたとおり、世界の宇宙ビジネスは2035年に市場規模280兆円に達するとされています。スペースXは2026年6月12日にナスダック市場へ上場する予定で、企業価値は約2兆ドルと試算されており、日本経済新聞 2026年5月29日はIPO直前の投資家説明会の動向を詳報しました。このIPOが持つ最大の意味は資金調達規模ではなく、民間宇宙開発への投資マインドを世界規模で引き上げる「号砲」として機能する点にあります。

国内でも政府は2023年6月の閣議決定で、宇宙産業の国内市場を2020年比で2倍の8兆円へ拡大する目標を掲げています。経済産業省 令和6年3月の資料によれば、モルガン・スタンレーは世界市場が2040年に140兆円規模へ成長すると予測しており、政策と民間資本の両輪が加速している構図があります。

三菱重工業・IHIが受ける宇宙関連株への恩恵と、打撃企業のリスク構造

ロケット・衛星の製造・打ち上げ領域では、三菱重工業(7011)がH3ロケットの打ち上げ主体として直接的な受注拡大の経路に位置します。三菱重工業 2025年5月9日 決算説明会資料によれば、航空・防衛・宇宙セグメントが業績をけん引し、2026年3月期決算は売上収益4兆9,741億円、事業利益4,322億円と大幅な増収増益を達成しています。衛星打ち上げ需要が増加するほど、同社の製造・運用ノウハウに対する需要も比例して高まる構造があります。

エンジン・推進系ではIHI(7013)が独立した「航空・宇宙・防衛」セグメントを持ちます。IHI 2026年2月10日 決算短信に示されるとおり、同社は防衛・宇宙の技術開発と生産能力強化を明示的な成長戦略に組み込んでいます。

一方、打撃側で注視が必要なのはソフトバンクグループ(9984)です。スターリンク対抗として衛星通信サービスへ多額の先行投資を続ける構造の中で、スペースXのIPO後に調達コストが上昇した場合、競合サービスの価格競争に直接さらされます。川崎重工業(7012)は航空宇宙事業で高い実績を持ちますが、国際的な打ち上げ競争が激化すると、既存のロケット部品サプライチェーンにおける価格交渉力が低下するリスクがあります。日本航空電子工業(6807)はコネクター・慣性センサーなどの機器を宇宙機に供給しており、調達先の多様化が進む局面ではシェア変動のリスクが生じます。伊藤忠商事(8001)は宇宙関連スタートアップへの出資を通じて宇宙産業に関与しますが、出資先企業の競争環境が厳しくなるほどバリュエーション調整の影響を受けます。

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見落とされやすい素材・インフラ銘柄——日本特殊陶業・NTT・KDDIへの波及

宇宙産業株として市場で認識されにくいながらも、構造的な恩恵の経路を持つのが部品・素材メーカーです。日本特殊陶業(5334)はispaceのHAKUTO-Rプログラムにコーポレートパートナーとして参画し、トラベル Watch 2019年が報じたとおり月面用全固体電池の開発を担っています。月面環境はマイナス150℃に達する極低温が課題であり、通常のリチウムイオン電池では機能しません。全固体電池の技術開発で先行する同社には、衛星・月面探査機向け電源需要が増加するほど引き合いが強まる構造があります。

衛星コンステレーションの展開は地上側のインフラ投資も同時に押し上げます。数千機規模の衛星からのデータをリアルタイムで処理するには、大容量の地上局・通信ネットワーク・データセンターが不可欠であり、NTT(9432)とKDDI(9433)はいずれも衛星通信との連携を通信インフラの重要テーマと位置づけています。衛星データ流通の拡大は両社のネットワーク設備投資サイクルを直接的に刺激します。ダイヤモンド ZAiが解説するとおり、衛星ビジネス関連の資金流入は打ち上げ企業だけでなく、この地上インフラ層にも及んでいます。

宇宙産業の成長が素材・部品・通信インフラに至る広い産業構造を動かすことが、Chainvestがこのニュースから辿った経路の核心です。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

三菱重工業7011

根拠H3ロケットの打ち上げ主体として、衛星打ち上げ需要の増加が直接的な受注拡大に結びつきます。2026年3月期決算は売上収益4兆9,741億円(前期比14.1%増)、事業利益4,322億円(同21.8%増)を達成し、「航空・防衛・宇宙」セグメントが業績をけん引しています。世界の宇宙市場が2035年に280兆円規模へ拡大する局面では、製造・運用ノウハウを持つ同社への発注量が比例して増加します。
経路世界宇宙市場の拡大(2035年280兆円・国内目標8兆円)H3ロケット打ち上げ受注の増加(航空・防衛・宇宙セグメントが主力)売上収益・事業利益のさらなる拡大(既存の増収増益トレンドを加速)

IHI7013

根拠「航空・宇宙・防衛」を独立セグメントとして持つIHIは、ロケット推進系・エンジン開発において国内有数の技術基盤を保有します。2026年2月10日の決算短信が示すとおり、宇宙・防衛分野での生産能力強化と技術開発を明示的な成長戦略に組み込んでおり、衛星コンステレーション需要の拡大がエンジン・推進系の受注増加に直結します。民間宇宙開発投資マインドの上昇は同セグメントへの発注サイクルを加速させます。
経路SpaceX上場による民間宇宙投資マインドの世界的上昇衛星・ロケット推進系の発注増加(航空・宇宙・防衛セグメントへの直接波及)生産能力増強投資の回収加速(セグメント売上・利益の拡大)

NTT9432

根拠数千機規模の衛星コンステレーションが展開されると、衛星からのデータをリアルタイムで処理するために大容量の地上局・通信ネットワーク・データセンターへの投資が不可欠となります。NTTは衛星通信との連携を通信インフラの重要テーマと位置づけており、衛星データ流通の拡大が地上通信ネットワークの設備投資サイクルを直接的に刺激します。宇宙関連資金流入はロケット企業にとどまらず地上インフラ層にも及び、同社の受注・投資機会を押し上げます。
経路衛星コンステレーション拡大(数千機規模のデータ処理需要)地上局・大容量ネットワーク・データセンター投資の増加(NTTの通信インフラ整備需要の拡大)ネットワーク設備投資サイクルの加速(通信事業収益の底上げ)

KDDI9433

根拠衛星コンステレーションの展開拡大に伴い、地上側の通信インフラへの投資需要が同時に高まります。KDDIは衛星通信との連携を通信インフラの重要テーマと位置づけており、衛星データ流通の増加が地上ネットワーク設備投資を直接的に刺激します。宇宙ビジネス関連の資金流入が地上インフラ層に波及する構造のなかで、同社は衛星ブロードバンドとの接続点として設備増強・サービス拡充の機会を獲得します。
経路衛星コンステレーション拡大(地上側接続需要の急増)衛星通信連携インフラへの設備投資増加(KDDIの通信ネットワーク整備需要の拡大)通信事業の設備投資回収加速(売上・利益への底上げ効果)

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

日本特殊陶業5334

根拠ispaceのHAKUTO-Rプログラムにコーポレートパートナーとして参画し、月面用全固体電池の開発を担います。月面環境はマイナス150℃に達する極低温が課題であり、通常のリチウムイオン電池では機能しないため、全固体電池技術に先行する同社のニッチシェアが高まります。衛星・月面探査機向け電源需要が増加するほど、同社の技術への引き合いが強まり、宇宙用電源市場における独自の供給ポジションを強化します。
経路宇宙市場拡大による衛星・月面探査機の増加(電源需要の急拡大)極低温対応全固体電池の引き合い増加(競合が少ないニッチ技術領域でのシェア獲得)宇宙用電源事業の売上寄与拡大(ispaceパートナーシップを起点とした受注拡大)

打撃を受ける可能性がある企業

川崎重工業7012

根拠航空宇宙事業で高い実績を持つ川崎重工業は、国際的な打ち上げ競争の激化により既存のロケット部品サプライチェーンにおける価格交渉力が低下するリスクを負います。2026年3月期決算は売上収益2兆3,112億円(前期比8.5%増)と過去最高を更新しているものの、SpaceX上場後に民間ロケット競合が増加すると、航空宇宙部品の調達先多様化・コスト圧力が強まり、既存顧客からの単価引き下げ交渉が激しくなります。
経路SpaceX上場による民間打ち上げ競争の激化(新規参入・代替調達先の増加)ロケット部品サプライチェーンにおける価格交渉力の低下(単価引き下げ圧力の増大)航空宇宙事業の利益率悪化リスク(過去最高業績からの反落懸念)

日本航空電子工業6807

根拠コネクター・慣性センサーなどの機器を宇宙機に供給する日本航空電子工業は、調達先多様化が進む局面でシェア変動のリスクが生じます。SpaceX上場後に世界規模で宇宙スタートアップへの資金流入が加速すると、新興メーカーが独自部品の内製化や代替調達を進めるケースが増加し、同社の既存顧客ベースにおける供給シェアが縮小する方向の圧力が高まります。
経路宇宙スタートアップへの資金流入加速(新興メーカーの部品内製化・調達先多様化が進む)コネクター・慣性センサー供給シェアの縮小圧力(既存顧客の代替調達先開拓)宇宙機器事業の受注単価・数量への下押し圧力

ソフトバンクグループ9984

根拠スターリンク対抗として衛星通信サービスへ多額の先行投資を続けているソフトバンクグループは、SpaceX上場後にスターリンクが調達した豊富な資金を背景にサービス価格の引き下げを加速させると、直接的な価格競争に曝されます。SpaceXがIPOで最大800億ドル規模の資金を調達すると、コンステレーション拡張と価格競争の両面でソフトバンク系衛星通信事業の競争優位が低下し、先行投資の回収期間が長期化します。
経路SpaceX上場(最大800億ドル調達)による資金力格差の拡大スターリンクのサービス価格引き下げ・コンステレーション急拡張(対抗サービスの競争環境が悪化)ソフトバンク系衛星通信先行投資の回収期間長期化(バリュエーション・収益性への下押し)

伊藤忠商事8001

根拠宇宙関連スタートアップへの出資を通じて宇宙産業に関与する伊藤忠商事は、SpaceX上場後に競争環境が世界規模で激化すると、出資先企業のバリュエーション調整の影響を受けます。大手プレーヤーへの資金集中が加速する局面では、中小宇宙スタートアップへの投資家選好が低下し、出資先の調達環境が悪化することで保有持分の評価額が下押しされ、投資損益に影響が及びます。
経路SpaceX上場による大手プレーヤーへの資金集中(中小宇宙スタートアップの調達環境悪化)出資先企業のバリュエーション調整(資金調達ラウンドでの評価額下落)伊藤忠商事保有持分の評価損リスク(投資損益への下押し圧力)
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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