ホルムズ海峡封鎖でLNG関連銘柄はどう動くか|石油資源開発の代替調達と製造業への影響
石油資源開発(JAPEX)は2026年4月17日、ホルムズ海峡以西のペルシャ湾内から契約していた運搬船2隻分のLNGについて、事実上の封鎖に伴い代替調達が必要となり、9月分まで中東域外からの代替供給にめどをつけたと発表しました。調達先は非開示で、スポット価格での調達となったため調達コストが上昇しており、増加コストを価格転嫁で吸収しきれない可能性があります(日本経済新聞 2026年4月17日)。同LNGは自社の福島天然ガス発電所(福島県新地町、出力計118万キロワット)のほか、工場や都市ガス向けにも供給されています。経済産業省はホルムズ海峡経由のLNG輸入量を年間約400万トン・全体の約6%と説明しており、JETROは2026年3月11日付でカタール・UAEを含む中東依存の構造的リスクを報告しています(JETRO 2026年3月11日)。
ホルムズ海峡封鎖でLNG代替調達コストが急騰するなか、電力卸売価格の上昇を経由した産業用電力費増加により電炉鋼を主力とするJFEスチール(5411)への恩恵が見込まれる一方、エネルギー多消費型の生産工程をもつ住友化学(4005)はコスト増を吸収しきれないリスクを抱えます。
Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。
このニュースの前提
もし複数地域からの長期調達契約が成立した場合、供給ルートの多元化が実現し中東依存から脱却する。
直接影響を受けるセクター
電力・ガス事業者AIが連想した波及の流れ
- 1LNG調達コスト上昇
中東緊迫によるスポット価格高騰
- 2電力卸売価格上昇
発電コスト増→電力取引市場への転嫁
- 3製造業の電力調達費増加
卸売価格上昇が産業用電力料金に波及
- 4エネルギー多消費産業の利益圧縮
電炉鋼・化学・セメント等の原価増
- 5川下製品の競争力低下
高コスト素材が下流産業へ波及
- 6輸出産業の採算悪化
国際競争力喪失で販売数量減少
- 7資本装備産業の受注減
製造業の設備投資延期・削減
ホルムズ海峡封鎖でLNG調達コストが上昇する構造
経済産業省はホルムズ海峡経由のLNG輸入量を年間約400万トン・全体の約6%と説明していますが、IEAはホルムズ混乱が世界LNG市場の約20%に影響し得るとしており、スポット価格の高騰は日本国内にとどまらない調達競争を生み出しています(global-scm.com 2026年4月29日)。石油資源開発(JAPEX)は中東域外からの代替調達で9月分の供給にめどをつけましたが、スポット価格での調達となったため増加コストの全額転嫁は困難な状況です(日本経済新聞 2026年4月17日)。10月以降のペルシャ湾内調達計画については情勢を見極めて判断するとしており、中長期の調達リスクは継続します。資源エネルギー庁は2026年3月27日に電力・ガス事業者・資源開発事業者・商社との官民連絡会議を開催し、LNG安定供給確保に向けた体制を整えましたが、スポット価格を通じた波及圧力は収まっていません(資源エネルギー庁 2026年3月27日)。
川崎重工業・JFEスチールなどLNG関連銘柄への影響
LNG調達コストの上昇は発電コスト増を通じて電力卸売価格を押し上げ、産業用電力料金へと転嫁される経路があります。川崎重工業(7012)はエネルギーソリューション&マリン部門が牽引し、2026年3月期第3四半期の売上収益は前年同期比10.9%増の1兆5,614億円、親会社帰属の四半期利益は同49.1%増と大幅に改善しており、LNGタンカーや関連設備への需要増が背景にあります。LNG代替調達ルートの多元化が進むほど、液化設備・輸送船・受入端末の設備投資需要が高まる構造があるため、同社にとってはプラス方向の環境が続きます。一方でJFEスチール(5411)は電炉鋼生産における電力消費が大きく、電力卸売価格の上昇局面では原価構造に直接影響が生じますが、同社が属する鉄鋼セクター全体のコスト増は国内競合も同条件であるため、海外材との価格差が縮小する局面では国内需要の下支えが働きます。
見落とされやすい住友化学・日立造船・荏原製作所への打撃
エネルギー多消費度が高く、かつ製品価格への転嫁が遅れやすい業種ほどマージンスクイーズが深刻になります。住友化学(4005)は石油化学プロセスで大量の電力と蒸気を使用しており、電力調達費の上昇が直接的に製造原価を押し上げます。三菱ケミカルが2026年3月6日から鹿島コンビナートでエチレン減産を開始したように、ナフサ供給の約3分の2を中東3カ国(UAE・クウェート・カタール)に依存する石油化学業界全体が稼働率低下と原価増の二重圧力にさらされており、住友化学も同様の構造的リスクを抱えます(global-scm.com 2026年4月13日)。日立造船(7004)は廃棄物発電・バイオマス発電向けのプラント受注を主力としますが、製造業全体の設備投資の延期・削減が進む局面では新規プラント案件の受注タイミングが後ずれするリスクがあります。荏原製作所(6361)はポンプ・コンプレッサーなどエネルギー関連の産業機械を製造しており、製造業ユーザーの投資抑制が続くと受注の伸びが鈍化する構造があります。LNG供給不足を起点とした電力価格上昇は、こうした川下の設備投資サイクルにまで影響を及ぼす点が、単純なエネルギーコスト問題にとどまらない理由です。
恩恵を受ける可能性がある企業
JFEスチール(5411)
三井化学(4183)
川崎重工業(7012)
打撃を受ける可能性がある企業
住友化学(4005)
日立造船(7004)
荏原製作所(6361)
Chainvest
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記事制作者

かぶてぃー(Chainvest編集部)
マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始
ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。
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