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著者: かぶてぃー|公開: 2026年6月25日|更新: 2026年6月25日

エネルギー多角化関連銘柄2025:原子力活用と原油分散で動く企業

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高市早苗首相は2026年4月26日に開催した中東情勢に関する関係閣僚会議で、赤沢亮正経済産業相に「エネルギー需給構造強靱化のための総合パッケージ」の策定を指示すると表明しました。原油調達先の分散・原子力活用・国産再生可能エネルギーの三本柱を軸に、8月末までに新計画をまとめる方針です。資源エネルギー庁 2026年3月27日によれば、国内の原油輸入はホルムズ海峡経由が約9割超を占め、調達集中リスクが顕在化しています。また経済産業省 2026年3月24日には、高市首相がトランプ大統領に対して米国産原油の備蓄共同事業を提案した経緯も記録されています。

エネルギー多角化新計画で原子力活用が国策として明確化され、使用済燃料キャスクの製造能力を25%向上させた三菱重工業(7011)への追い風が強まる一方、化石燃料依存度の高いINPEX(1605)は調達構造の変化が収益基盤に影響するリスクを抱えます。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

高市早苗首相はエネルギー多角化に向けた新計画を8月末までに策定すると表明する。中東危機を受けエネルギー調達の脆弱性があらわになったことを踏まえ、需給構造を再構築する。原油調達先の分散に加え、原子力や国産の再生可能エネルギー活用を柱に位置付ける。

直接影響を受けるセクター

機械・FA・重工

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    エネルギー多角化政策決定

    原子力・再生可能エネルギー活用を柱に位置付け

  2. 2
    太陽光・風力製造設備需要急増

    国産再生可能エネルギー拡大に伴い部品・材料需要拡大

  3. 3
    半導体・電子部品供給量増加

    太陽光パネル・風力発電の制御・検査用部品需要増

  4. 4
    設置工事・建設需要拡大

    大型設備の施工・据付・インフラ整備が必須

  5. 5
    部品調達ネットワーク国内強化

    サプライチェーン再構築で特殊部品・材料の国産化推進

  6. 6
    資金調達・長期契約ニーズ発生

    大型投資案件拡大で金融・リース需要急増

原油分散調達と原子力関連銘柄に何が起きるか

JAERO(日本原子力文化財団)が示すように、日本の石油輸入は2024年度実績で95%以上を中東に依存しており、ホルムズ海峡・マラッカ海峡というシーレーンの脆弱性は構造的な問題として残っています。資源エネルギー庁 2026年1月によれば、2024年の鉱物性燃料輸入額は約24兆円にのぼり、輸送用機器や一般機械の輸出で稼いだ分の大半が化石燃料の購入に消える構造が続いています。

この脆弱性に対処するため、今回の総合パッケージでは原子力を脱中東依存の主軸の一つと位置づけました。資源エネルギー庁のエネルギー基本計画解説では、次世代革新炉の建て替えを廃炉決定済みサイトで推進する方向性が示されており、政策の実行フェーズが近づいています。原子力関連銘柄として直接恩恵を受ける位置にあるのが三菱重工業(7011)です。三菱重工業 2025年度決算(2026年5月12日)では受注高・事業利益・当期利益がいずれも過去最高を更新し、受注残は13兆円を超えました。原子力分野では使用済燃料キャスクの製造能力を25%向上させ、エンジニアリング工程も30%短縮しており、追加案件を受け入れる生産体制が整いつつあります。

東京電力ホールディングス(9501)は政策の直接的な受益者として位置づけられます。東京電力HD 2025年度決算(2026年4月30日)では「中東情勢等の影響を受け燃料価格等の見通しが不透明」として2026年度業績予想を未定としており、化石燃料コストの変動リスクを強く意識しているのがわかります。原子力の稼働拡大が燃料コスト低減に直結する構造があるため、今回の政策は同社の収益改善シナリオと重なります。日立製作所(6501)も原子力プラントの制御・計装システムで国内トップクラスの実績を持ち、新設・リプレース案件の拡大が事業機会になります。

見落とされやすい制御機器メーカーへの影響

太陽光・風力・原子力いずれの設備でも、流体制御バルブや空気圧機器は装置の心臓部を担います。ここで存在感を発揮するのがCKD(6407)です。空気圧・流体制御コンポーネントで高い国内シェアを持ち、発電設備の自動化・精密制御ニーズが拡大するほど部品需要が増加する構造があります。エネルギー設備向けのニッチ領域で高いシェアを持つ同社は、大手のニュースに隠れて見落とされやすい原子力関連銘柄の一角です。

一方、打撃を受けやすいのは化石燃料依存度の高い側です。INPEX(1605)は原油・天然ガスの開発・生産が主力事業であるため、国策として化石燃料依存の縮小が加速すれば中長期の需要見通しが圧迫されます。三井物産(8031)も化石燃料トレーディングの比率が高く、調達先分散に伴うサプライチェーン再編は既存の商流を揺るがす可能性があります。中部電力(9502)・中国電力(9504)は原子力再稼働の進捗が相対的に遅れており、燃料コスト高止まりが続く局面では政策の恩恵を享受するタイミングが後ずれするリスクを内包しています。エネルギー多角化関連銘柄を選ぶ際には、政策の恩恵が「いつ・どの工程に」落ちてくるかという時間軸の違いが、銘柄間の株価格差を生む核心になります。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

東京電力ホールディングス9501

根拠東京電力HDは2026年度業績予想を「中東情勢等の影響を受け燃料価格等の見通しが不透明」として未定とするほど、化石燃料コストの変動リスクに強く晒されています。2025年度連結売上高は6兆3,285億円、経常損益は4,173億円と改善傾向にある一方、原子力損害賠償費や災害特別損失が純損益を4,542億円の赤字に押し下げています。第7次エネルギー基本計画に基づく原子力稼働拡大が実現すれば、LNG・石炭等の燃料調達コストが直接削減され、収益改善余地は年間数千億円規模に達します。
経路原子力活用政策の推進(次世代革新炉建て替え・再稼働促進)化石燃料調達量の削減(燃料費コスト年間数千億円規模の圧縮)経常損益の改善・業績予想の安定化

三菱重工業7011

根拠三菱重工業は2025年度決算で受注高・事業利益・当期利益・キャッシュフローの全指標が過去最高を更新し、受注残は13兆円を超えました。原子力分野では使用済燃料キャスクの製造能力を25%向上、エンジニアリング工程を30%短縮するなど生産体制を大幅に強化しており、第7次エネルギー基本計画が掲げる次世代革新炉の建て替え推進により追加受注の獲得余地が拡大します。2026年度の事業利益目標は5,400億円・利益率10%を掲げており、原子力案件の増加が上振れドライバーになります。
経路次世代革新炉建て替え政策の実行フェーズ移行(廃炉サイトでの新設需要顕在化)三菱重工業への原子炉・燃料キャスク等の受注拡大(生産能力25%増強済みで即応可能)エナジーセグメント売上・事業利益率の上昇(2026年度目標5,400億円を上回る可能性)

日立製作所6501

根拠日立製作所は原子力プラントの制御・計装システムで国内トップクラスの実績を持ち、BWR(沸騰水型原子炉)の制御システム設計・保守を主力とする事業基盤を有しています。第7次エネルギー基本計画に基づく次世代革新炉の新設・リプレース案件が具体化するにつれ、プラント制御システムや電気・計装工事の受注が増加します。日立グループの原子力事業はインフラ分野の中核を担っており、政策実行の加速が同社の長期受注残を積み上げる構造になっています。
経路次世代革新炉・既存炉リプレース案件の拡大(政策実行フェーズへの移行)原子力プラント制御・計装システムの受注増加(国内BWR市場でのトップシェアが受注を引き寄せる)インフラセグメントの売上高・収益性の向上

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

CKD6407

根拠CKDは空気圧・流体制御コンポーネントで高い国内シェアを持ち、発電設備における流体制御バルブや空気圧機器の供給で存在感を発揮しています。太陽光・風力・原子力を問わず、エネルギー設備の自動化・精密制御ニーズが拡大するほど同社部品の需要が増加する構造があります。原子力新設・リプレース案件が複数同時進行すれば、プラント1基あたり数百点規模の制御コンポーネント需要が生じ、ニッチ高シェア領域での価格支配力を背景に売上・利益が拡大します。
経路原子力新設・リプレース案件の増加(第7次エネルギー基本計画の実行)発電設備向け流体制御・空気圧コンポーネントの需要拡大(プラント1基あたり数百点規模の部品需要)CKDのエネルギー設備向け売上増加・高シェアニッチ領域での収益拡大

打撃を受ける可能性がある企業

中部電力9502

根拠中部電力は2026年3月期に売上高3兆5,460億円(前年比3.4%減)、経常利益2,910億円(同5.3%増)を確保しているものの、原子力再稼働の進捗が相対的に遅れており、LNG・石炭等の化石燃料調達コストが高止まりしています。第7次エネルギー基本計画の恩恵が燃料コスト削減として同社の収益に波及するタイミングは、再稼働審査の完了・地域合意の取得を経た後となるため、政策効果の享受が後ずれします。この間も中東依存の化石燃料コスト変動リスクを負い続けます。
経路原子力再稼働の進捗遅延(審査・地域合意のプロセスが未完了)化石燃料依存の継続(LNG・石炭調達コストが高止まり)政策恩恵の享受後ずれ・競合他社比での収益格差拡大リスク

中国電力9504

根拠中国電力は島根原子力発電所の再稼働を進めているものの、再稼働済み炉数が限定的であり、原子力稼働率の向上余地は他の大手電力と比較して相対的に小さい状況が続いています。エネルギー基本計画が原子力活用を加速させる方向で進む中、再稼働の遅れは化石燃料調達コストの高止まりを招き、収益改善のタイミングが競合他社より後ずれします。中東情勢に伴う燃料価格の不透明性が長期化すれば、同社の燃料費負担が収益を圧迫し続けます。
経路原子力再稼働の進捗の相対的遅れ(稼働炉数の限定)化石燃料調達への依存継続(中東情勢連動の燃料価格変動リスクが残存)燃料費コスト高止まりによる利益率改善の遅延

INPEX1605

根拠INPEXは原油・天然ガスの上流開発・生産が主力事業であり、国内生産量の大半を海外プロジェクトから確保しています。日本政府が原子力活用と調達先分散を国策として加速させることで、中長期的な化石燃料の国内需要見通しが圧迫され、同社の主力資産の価値評価に下押し圧力がかかります。原油価格の変動に加え、脱中東依存政策による需要構造の変化がINPEXの収益モデルに対する市場の割引率を引き上げる要因となります。
経路原子力活用・脱化石燃料政策の加速(第7次エネルギー基本計画)国内化石燃料需要の中長期的縮小見通し(上流開発資産の価値評価への下押し圧力)INPEXの事業利益見通し・株式バリュエーションへの悪影響

三井物産8031

根拠三井物産は化石燃料トレーディングおよび資源権益への投資比率が高く、LNG・原油・石炭の商流が収益の重要な柱を形成しています。日本の原油調達先分散政策の推進により、既存の中東産原油を中心とした商流が再編され、三井物産が手がけるサプライチェーン上の取扱量・マージンが縮小する方向に働きます。さらに国策としての原子力拡大が化石燃料需要の代替を進めるほど、同社の資源セグメントが依拠する市場規模が長期的に縮小します。
経路原油調達先分散・原子力拡大政策の推進(脱中東依存の加速)既存の化石燃料サプライチェーンの再編(中東産原油・LNG商流の取扱量・マージン縮小)三井物産の資源セグメント収益への下押し圧力・長期的な事業ポートフォリオ再編コストの発生
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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