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著者: かぶてぃー|公開: 2026年6月1日|更新: 2026年6月1日

TSMCも頼る個別化・効率化のSCREEN Holdings|TSMC恩恵と半導体製造装置 関連銘柄への影響

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SCREENホールディングス(7735)は2026年3月下旬に中国・上海市で開催されたセミコン・チャイナに出展し、入場ゲート直近の目立つブースに枚葉式洗浄装置を展示しました。YHリサーチによると同社の枚葉式洗浄装置の世界シェアは約38%(2025年)でトップを維持しています(SCREENホールディングス IP戦略レポート)。2025年3月期の連結売上高は過去最高の6,252億円を記録し、うち半導体製造装置事業が83.1%を占めます。経済産業省は2026年度の半導体・AI関連予算を1.23兆円に設定しており、TSMCは2028年に熊本第2工場で3nmウエハーの量産(月産15,000枚)を開始する計画を発表しています(TSMC、日本で最も重要な半導体工場を再びアップグレード)。

SCREENホールディングス(7735)がTSMCとの関係を強化し洗浄装置市場でのポジションを固める中、プローブカード事業で2期連続過去最高益を記録した日本マイクロニクス(6871)への恩恵が見込まれる一方、装置投資サイクルの競合激化でレーザーテック(6920)などの検査装置メーカーは顧客優先度の変化というリスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

SCREENが個別化・効率化で差別化を続け、TSMCなど主要顧客との関係が維持されたまま中工程装置の市場ポジションが安定する。

直接影響を受けるセクター

機械・FA・重工

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    SCREEN中工程装置市場拡大

    TSMCなど大手顧客との関係強化で需要増加

  2. 2
    半導体中工程用部材・化学品需要増

    装置稼働率向上で消耗品・ガス・化学品消費増

  3. 3
    素材・化学セクター売上拡大

    超高純度ガス・フォトレジスト等の供給量増加

  4. 4
    半導体関連輸出増加・為替影響

    日本の中工程競争力向上で製造受託構造変化

  5. 5
    精密検査・計測装置需要連鎖

    中工程品質管理の高度化で検査機器ニーズ急増

SCREEN 半導体製造装置の市場拡大と株価 今後を左右する需給構造

日本経済新聞の報道(2026年5月)によると、SCREENホールディングス(7735)は枚葉式洗浄装置で世界シェア約38%を握り、TSMCを含む大手ファウンドリが中工程の個別化・効率化を進める局面で需要の中心に位置しています。2025年3月期の売上高は過去最高の6,252億円を記録しましたが、2026年3月期第3四半期では売上高が前年同期比7.5%減と一時的な調整局面にあります。これはロジック向け需要の端境期を反映しており、台湾向け売上が増加している事実が次の上昇局面を示す構造的なシグナルです。

TSMCは2028年に熊本第2工場で3nmウエハーの月産15,000枚を開始する計画を発表しており、この稼働に向けた設備投資フェーズでは洗浄装置の複数台導入が先行します。経済産業省の2026年度半導体・AI予算1.23兆円という政策後押しが、国内装置メーカーへの発注を下支えする構造もあります。SCREENの中期経営計画「Value Up Further 2026」は2033年3月期に売上高1兆円超・営業利益率20%超を目標としており、熊本工場フル稼働時期と計画のピーク期が重なります。

日本マイクロニクス・CKD・日本精工への影響と TSMC 恩恵 株の広がり

洗浄装置の稼働率が上がると、装置内部のバルブ・フィルタ・アクチュエータといった消耗部品の交換頻度も上がります。空気圧・流体制御機器を手がけるCKD(6407)はこの交換サイクルに組み込まれており、2026年3月期は半導体関連機器の需要回復遅れで純利益が前期比17%減の112億円になる見通しですが、装置稼働率の正常化局面では需要が直接回復する構造があります。

検査工程では、日本マイクロニクス(6871)のプローブカードが注目されます。2025年12月期の連結経常利益は前期比39.6%増の171億円と2期連続で過去最高益を更新しており、HBM4からHBM4Eへの世代進化がDRAM向けプローブカードの需要を牽引しています。同社が予測する2026年のプローブカード市場規模は33億米ドル(前年比約14%成長)で、ログミーファイナンス(2026年2月)によれば青森工場新棟の生産キャパシティ増加も寄与しています。TSMC向け先端プロセス検査が増加するほど、プローブカードの消耗・交換需要も比例して増えます。

装置の精密駆動を担うボールねじ・ベアリングでは日本精工(6471)が装置メーカーへの部品供給元として存在感を持ちます。SCREENの装置台数が増えるほど、これらの精密機械部品の調達量も拡大する構造です。

マネックス証券

見落とされやすい素材・打撃銘柄への影響

意外な影響先として浮上するのが大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)です。半導体製造装置の洗浄チャンバーや配管部材にはチタン製精密部品が使われており、装置の増産・増設フェーズでは素材調達量が積み上がります。SCREEN向けに限らず、国内装置メーカー全般が洗浄系チャンバー部材の供給先として同社の供給実績を参照する構造があります。

一方、打撃側では構造的な競合圧力が生じます。ルネサスエレクトロニクス(6723)は車載・産業向けマイコンを主力とし、2026年第1四半期は増収増益で車載・AIが好調ですが、ファウンドリ設備投資がTSMCのような最先端プロセスに集中すると成熟プロセスへの投資配分が相対的に後退し、ルネサスが調達するウエハー価格・納期の交渉力が変化するリスクがあります。信越化学工業(4063)は2026年3月期第3四半期の営業利益が前年同期比15%減と苦戦しており、ウエハー需要の回復タイミングとSCREEN向け洗浄化学品の需給バランスが今後の業績を左右します。キオクシアホールディングス(285A)はNAND市況の循環性に業績が左右される構造から、装置投資の集中がロジック側に偏る局面では相対的な優先度が下がります。レーザーテック(6920)とニコン(7731)は露光・検査装置で直接競合するわけではありませんが、顧客の設備投資予算がSCREENの洗浄装置更新に充当されると、同時期の検査・露光装置の発注枠が絞られる予算配分リスクが生じます。アマダ(6113)は精密板金加工機で装置筐体部材の調達先として間接的に連なりますが、装置増産フェーズが本格化するほど加工需要が発生する側面があります。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

日本マイクロニクス6871

根拠半導体検査工程向けプローブカードで国内トップクラスのシェアを持ち、TSMC熊本第2工場(3nm、月産15,000枚)の稼働拡大に伴いウエハー検査工程の需要が直接増加します。HBM4からHBM4Eへの世代進化がDRAM向け需要を牽引し、2025年12月期の連結経常利益は前期比39.6%増の171億円と2期連続過去最高益を更新しています。2026年のプローブカード市場は33億米ドル・前年比約14%成長と予測され、青森工場新棟の生産能力増強が追加需要の取り込みを可能にします。
経路TSMC熊本第2工場の3nm量産開始(ウエハー検査工程が増加)プローブカード消耗・交換需要が比例拡大(HBM4E世代進化が単価上昇にも寄与)青森新棟フル稼働で売上・利益の上乗せ

CKD6407

根拠空気圧・流体制御機器を主力とし、半導体洗浄装置内のバルブ・フィルタ・アクチュエータといった消耗部品を供給しています。SCREENの洗浄装置稼働率が上昇するほど、これら消耗部品の交換サイクルが短縮し部品需要が直接回復します。2026年3月期は半導体関連機器の需要回復遅れで純利益が前期比17%減・112億円の見通しですが、TSMC熊本工場の設備投資フェーズ本格化と装置稼働率正常化が需要の反転トリガーとなります。売上高も前期比3%減の1,510億円と調整局面にあり、回復時の業績レバレッジが大きい構造です。
経路洗浄装置の稼働率上昇(TSMC熊本向けSCREEN装置の導入増加)バルブ・フィルタ等消耗部品の交換頻度増加(サイクル短縮で受注量が拡大)半導体関連機器売上の反転・純利益回復

日本精工6471

根拠ボールねじ・ベアリングなど精密機械部品で国内トップシェアを持ち、SCREENを含む半導体製造装置メーカーへの主要部品供給元として位置づけられています。TSMC熊本第2工場の設備投資フェーズでSCREENの洗浄装置出荷台数が増加すると、装置1台あたりに組み込まれるボールねじ・ベアリングの調達量が比例して拡大します。経産省の2026年度半導体・AI予算1.23兆円が国内装置メーカーへの発注を下支えし、精密部品の需要が持続的に積み上がります。
経路TSMC熊本向けSCREEN洗浄装置の増産(装置出荷台数が増加)装置組み込みボールねじ・ベアリング調達量が拡大(台数増×部品点数で需要が積み上がる)半導体装置向け精密部品売上の増収

アマダ6113

根拠精密板金加工機・レーザー加工機を主力とし、半導体製造装置の筐体・フレーム部材の加工設備として装置メーカーのサプライチェーンに間接的に組み込まれています。SCREENの洗浄装置増産フェーズが本格化すると、装置筐体部材の加工需要が増加し、アマダの工作機械・加工機の稼働率が上昇します。経産省の半導体・AI予算1.23兆円が国内装置メーカーの設備投資を後押しすることで、加工機の新規導入需要も発生します。
経路TSMC熊本向け洗浄装置の増産(筐体・フレーム部材の加工量が増加)アマダ製精密板金・レーザー加工機の稼働率上昇(装置メーカーの内製加工需要が拡大)工作機械の受注増と消耗品・保守売上の拡大

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

大阪チタニウムテクノロジーズ5726

根拠半導体製造装置の洗浄チャンバーや配管部材にはチタン製精密部品が広く採用されており、装置の増産・増設フェーズでは国内装置メーカー全般からの素材調達量が積み上がります。大阪チタニウムテクノロジーズは国内チタンスポンジ生産の主要サプライヤーとして供給実績を持ち、SCREENを含む洗浄系装置メーカーがチャンバー部材の調達先として参照する構造があります。TSMC熊本第2工場向け装置の増設が集中する2026〜2028年にかけて、チタン部材の需要が継続的に拡大します。
経路TSMC熊本向け洗浄装置の増設(チャンバー・配管部材のチタン素材調達量が増加)国内装置メーカー全般から大阪チタニウムへの発注が積み上がる(供給実績が調達先選定を有利にする)チタンスポンジ・加工品の販売量拡大と売上増

打撃を受ける可能性がある企業

ルネサスエレクトロニクス6723

根拠車載・産業向けマイコンを主力とし成熟プロセスのウエハー調達に依存するルネサスにとって、ファウンドリの設備投資がTSMCのような最先端プロセスに集中する局面では成熟プロセスへの投資配分が相対的に後退します。これによりルネサスが調達するウエハーの納期・価格の交渉力が低下し、調達コスト上昇リスクが生じます。2026年第1四半期は車載・AIが好調で増収増益を確保していますが、先端プロセスへの投資偏重が続くほど成熟ノードのキャパシティ確保が構造的に難しくなります。
経路ファウンドリ投資が先端プロセスに集中(成熟ノードへの設備投資配分が後退)ルネサスの成熟プロセスウエハー調達力が低下(納期遅延・価格交渉力の悪化)車載・産業向けマイコンの生産コスト上昇リスク

キオクシアホールディングス285A

根拠NAND市況の循環性に業績が左右される構造を持つキオクシアにとって、装置投資がロジック・先端プロセス側に集中する局面では相対的な優先度が低下します。ファウンドリや装置メーカーの生産能力・開発リソースがSCREEN洗浄装置を中心とするロジック向けに傾くと、NAND向け装置の調達タイミングや優先順位が後ろ倒しになります。加えてNAND価格が市況サイクルの谷にある局面では、設備投資余力の確保が難しく、競合に対してキャパシティ拡張のペースで劣後するリスクがあります。
経路装置投資がロジック・先端プロセスに集中(NAND向け装置の優先度が相対的に低下)キオクシアの生産キャパシティ拡張ペースが競合比で劣後(投資余力の制約が重なる)NAND市況回復局面での市場シェア維持が困難化

信越化学工業4063

根拠半導体向けシリコンウエハーと洗浄プロセス向け化学品の両面でSCREENの装置稼働率に業績が連動する信越化学工業ですが、2026年3月期第3四半期の営業利益は前年同期比15%減と苦戦しています。ウエハー需要の回復タイミングが後ずれする局面では、洗浄化学品の需給バランスが緩み販売単価の下押し圧力が続きます。またSCREEN向けを含む装置メーカーが洗浄化学品の在庫調整を優先する期間中は、信越化学からの新規発注が抑制され売上の下押しが続く構造です。
経路ウエハー需要回復の後ずれ(洗浄化学品の在庫調整が長期化)装置メーカーからの新規発注が抑制(販売単価の下押し圧力が継続)信越化学の半導体材料部門の営業利益が低迷

レーザーテック6920

根拠EUVマスク欠陥検査装置など高付加価値検査装置を手がけるレーザーテックにとって、顧客の設備投資予算がSCREENの洗浄装置更新・増設に充当される局面では、同時期に計画される検査装置の発注枠が絞られる予算配分リスクが生じます。装置投資の優先順位がウエット洗浄工程の効率化に移行する期間中は、検査装置の更新サイクルが後ろ倒しになり受注計上が遅延します。これによりレーザーテックの受注残の積み上がりペースが鈍化し、業績の先行指標である受注高が伸び悩みます。
経路顧客の設備投資予算が洗浄装置増設に集中(検査装置への配分が圧縮)レーザーテックの検査装置発注が後ろ倒し(受注残の積み上がりペースが鈍化)受注高・売上計上の遅延で業績成長が抑制

ニコン7731

根拠半導体露光装置(FPD・ArF液浸)を手がけるニコンにとって、顧客ファウンドリの設備投資予算がSCREENの洗浄装置更新に優先的に充当される局面では、露光装置の発注枠が同期間に競合する構造があります。ニコンの精機事業(半導体露光装置)はASMLとの競合下で既に受注回復に時間を要しており、洗浄工程への投資集中が重なると露光装置の更新・追加発注がさらに後ろ倒しになります。加えて、先端ロジック向けに注力するASMLが予算を先取りする構図でニコンの受注機会が狭まります。
経路ファウンドリの設備投資予算が洗浄装置増設に優先配分(露光装置への配分が圧縮)ニコン精機事業の受注が後ろ倒し(ASMLとの競合でシェア回復余地も縮小)露光装置売上の回復が遅延し精機事業の収益改善が鈍化
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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