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著者: かぶてぃー|公開: 2026年8月19日|更新: 2026年8月19日

防衛費8.9兆円要求で変わる防衛テーマ関連銘柄2025——三菱重工業・IHI・多摩川HDの立ち位置

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共同通信が2025年7月7日に報じたところによると、防衛省は2027年度予算編成に向けた概算要求で過去最大となる約8兆9千億円を計上する調整に入りました。また、小泉進次郎防衛大臣とオーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防大臣が2025年7月18日に会談し、自衛隊が長射程ミサイルによる反撃能力強化のためにオーストラリア国内の試験場を利用できるよう協力することで合意しています。みんかぶ・株探が集計する人気テーマランキングでは「防衛」が13位に浮上しており、株式市場での関心が高まっています。

防衛費の過去最大規模の概算要求と日豪ミサイル試験協力の合意により、ミサイルシステムの主契約社である三菱重工業(7011)への恩恵が見込まれる一方、民需比率の高いFA向け汎用部品を主力とするファナック(6954)は防衛特需の恩恵を受けにくく相対的な評価低下リスクを抱える可能性があります。

Chainvestでは、このニュースをAIに連想させ、以下の前提・セクター・波及経路を導き出しました。

このニュースの前提

防衛費が段階的に増額され続けたまま、関連産業の成長と地政学的緊張が並行する状態が継続する

直接影響を受けるセクター

防衛・航空宇宙

AIが連想した波及の流れ

  1. 1
    防衛費8.9兆円要求

    日本の防衛投資が段階的に拡大する政策基調が確定

  2. 2
    長射程ミサイル開発・試験加速

    豪州試験場活用で開発サイクルが短縮化

  3. 3
    高周波・光学部品需要急増

    ミサイル制御システムに不可欠な電子部品の大量調達開始

  4. 4
    半導体・電子部品製造装置受注拡大

    部品メーカーの増産対応で装置・素材サプライチェーン起動

  5. 5
    防衛特需産業への資本集中

    ニッチ防衛サプライヤーの収益性が向上し投資対象化

  6. 6
    汎用部品・民間航空部門の相対的価値低下

    調達先の集約化と高付加価値化で汎用・標準品需要が縮小

防衛費増額と地政学リスクで何が変わるか

インド太平洋地域での緊張が続くなか、日本の防衛政策は量的な拡大局面に入りました。共同通信が2025年7月7日に報じた概算要求額は約8兆9千億円と過去最大規模で、さらに事項要求も多数盛り込まれているため、年末の予算案では実質的な規模がいっそう大きくなります。加えて、2025年7月18日の日豪防衛会談では、自衛隊がオーストラリアの試験場で長射程ミサイルの試験を実施できる枠組みが合意されました。国内の用地制約がボトルネックになっていたミサイル開発のサイクルが、この合意によって短縮されます。予算規模の拡大と開発加速が同時に進む構造は、防衛テーマ関連銘柄2025の物色を長期化させる条件を整えています。

機械・FA・重工セクターへの影響——恩恵と打撃が交差する構図

重工・防衛の本線では、三菱重工業(7011)と川崎重工業(7012)が長射程ミサイルの主契約社として量産・開発の双方で受注を積み上げます。IHI(7013)はジェットエンジンや推進系で深く関与しており、防衛費増額の直接的な受益者となります。一方で同社の民間航空エンジン部門は開発リソースの配分を迫られる側面があり、官民双方の需要ピークが重なると生産能力の優先度調整が生じます。

FA・自動化セクターに目を向けると、構図は逆転します。安川電機(6506)・ファナック(6954)・オムロン(6645)・キーエンス(6861)などは、中国向けや自動車向けの民需で収益を支えてきました。防衛調達は仕様が厳密で、汎用FAシステムをそのまま転用できる領域は限られています。調達先の集約化と高付加価値仕様品への移行が進むほど、標準品・汎用品の需要は相対的に縮小します。TOWA(6315)・日本精工(6471)・ジェイテクト(6473)・NTN(6472)といった部品・精密機器メーカーも、防衛向けの特殊仕様対応ができない製品ラインは価格競争にさらされる構造があります。富士通(6702)はシステムインテグレーション側で防衛案件への関与がありますが、汎用IT部門は政府調達の絞り込みの影響を受ける可能性もあります。

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防衛・航空宇宙セクターへの影響——見落とされやすい電子部品・電源の動き

ミサイルの誘導・制御システムは高周波部品・光学センサー・電源モジュールで構成されます。村田製作所(6981)は通信モジュールや高周波積層部品でこの領域に製品を持ちます。日本電子(6951)は電子ビーム・質量分析装置など計測・検査機器で防衛関連の品質保証工程に関与します。

ここで注目されるのが、ニッチな防衛向けサプライヤーです。多摩川ホールディングス(6838)はレゾルバ(回転角センサー)で航空・防衛向けのニッチシェアを持ちます。ミサイルの舵面制御や航空機のフライトコントロールに使われるこの部品は代替が難しく、量産拡大局面でそのまま需要増に直結します。コーセル(6905)は産業・防衛向けの高信頼性電源ユニットを製造しており、防衛装備品の長期運用に不可欠な部品メーカーとして受注拡大の構造があります。メディアドゥ(3678)は電子書籍流通が主軸ですが、防衛省のデジタルコンテンツ調達・マニュアル配信といった周辺領域での関与が注目されています。

見落とされやすい3手目——製造装置と素材サプライチェーンへの波及

防衛特需が本格化する局面で資本が集中するのは、装備品の完成品メーカーだけではありません。電子部品メーカーが増産に入ると、その製造装置・素材のサプライチェーンが連動して動き出します。高周波部品の製造に必要な特殊セラミックスや希土類磁石の調達競争が激化し、国内に生産拠点を持つ素材メーカーが稼働率を上げます。防衛調達は国内調達優先の原則が働くため、このサプライチェーン起動効果は輸入代替の文脈とも重なります。投資家が「防衛株」として見ているリストの外側で、製造装置や素材の銘柄が静かに動く構造がここにあります。

恩恵を受ける可能性がある企業

直接影響を受ける企業

三菱重工業7011

根拠三菱重工業は長射程ミサイルの主契約社として、防衛費概算要求約8兆9千億円規模の増額を直接受ける立場にあります。日豪防衛会談で合意されたオーストラリア試験場の活用により、国内用地制約というボトルネックが解消され、ミサイル開発・試験サイクルが短縮します。量産と開発の双方で受注を積み上げる構造が整い、売上高に占める防衛部門の比率がさらに拡大します。
経路防衛費過去最大規模の概算要求(約8.9兆円)長射程ミサイル量産・開発の主契約受注増(両軸で売上積み上げ)日豪合意による試験サイクル短縮(開発期間短縮で受注前倒し効果)

IHI7013

根拠IHIはジェットエンジン・推進系で長射程ミサイルおよび航空自衛隊向け案件に深く関与しており、防衛費増額の直接的な受益者となります。防衛向け推進系の受注拡大が売上を押し上げる一方、生産能力の優先度調整が求められる局面では民間航空エンジン部門のリソースが防衛側に振り向けられます。防衛部門の高マージン案件が収益構造を改善します。
経路防衛費増額(推進系・エンジン需要拡大)航空・ミサイル推進系の受注増(長射程ミサイル・航空機双方)防衛部門の売上・利益率が向上(高仕様品単価優位)

メディアドゥ3678

根拠メディアドゥは電子書籍流通インフラを持ち、防衛省のデジタルコンテンツ調達・マニュアル配信といった周辺領域での関与が拡大します。防衛費増額に伴い装備品の仕様書・整備マニュアルのデジタル化投資が増加し、既存の配信基盤を持つ同社への需要が生まれます。政府調達のデジタル化加速が同社プラットフォームの稼働率を引き上げます。
経路防衛費増額(装備品・マニュアルのデジタル化投資拡大)防衛省向けデジタルコンテンツ配信需要が発生(既存インフラ活用)プラットフォーム稼働率上昇(追加投資なしで売上貢献)

川崎重工業7012

根拠川崎重工業は長射程ミサイルの主契約社として三菱重工と並び、防衛費増額の直接的な受益者です。概算要求約8兆9千億円の規模拡大と日豪合意による開発加速は、同社の潜水艦・ミサイル・航空機部門の受注サイクルを長期化させます。防衛部門の受注残が積み上がることで、数年単位での安定的な売上計上が見込まれます。
経路防衛費過去最大規模(長射程ミサイル・潜水艦・航空機の受注拡大)日豪試験場合意による開発サイクル短縮(受注前倒し効果)防衛部門の受注残拡大(複数年にわたる安定売上)

日本電子6951

根拠日本電子は電子ビーム装置・質量分析装置などの計測・検査機器で、防衛関連部品の品質保証工程に関与します。防衛調達では仕様が厳密であり、高精度な計測・検査装置への需要が量産拡大と比例して増加します。国内防衛向けサプライチェーン全体が稼働率を上げる局面で、検査工程のボトルネック解消ニーズが装置需要を押し上げます。
経路防衛装備品の量産拡大(高精度品質保証工程の需要増)電子ビーム・質量分析装置の防衛向け導入加速(厳格仕様対応)計測・検査装置の受注増(サプライチェーン全体への波及)

村田製作所6981

根拠村田製作所は通信モジュールや高周波積層部品でミサイル誘導・制御システムに製品を供給します。防衛費増額による装備品量産拡大で高周波部品需要が増加し、国内調達優先原則のもとで村田製作所への発注が集中します。高周波積層部品は防衛仕様の耐環境性要件を満たす製品が限られており、同社の価格交渉力が強まります。
経路ミサイル誘導・制御システムの量産拡大(高周波部品需要増)国内調達優先原則(輸入代替需要の取り込み)高周波積層部品の受注増・価格交渉力向上(耐環境性仕様の希少性)

意外な波及(連想チェーン2手目以降)

意外な波及

多摩川ホールディングス6838

根拠多摩川ホールディングスはレゾルバ(回転角センサー)で航空・防衛向けにニッチシェアを持ちます。ミサイルの舵面制御や航空機フライトコントロールに使われるこの部品は代替が難しく、防衛装備品の量産拡大局面で需要増に直結します。防衛調達の国内調達優先原則が輸入代替需要も取り込み、同社への発注集中度が高まります。
経路防衛装備品の量産加速(舵面制御・フライトコントロール需要増)代替困難なレゾルバへの発注集中(国内調達優先原則が追い風)防衛向け売上比率の拡大と単価維持(ニッチ独占的地位)
意外な波及

コーセル6905

根拠コーセルは産業・防衛向けの高信頼性電源ユニットを製造し、防衛装備品の長期運用に不可欠な部品メーカーとして受注拡大の構造を持ちます。防衛費増額による新規装備品の調達増加と、既存装備品の維持・更新需要が重なり、高信頼性電源ユニットへの需要が持続的に増加します。防衛向け電源は耐衝撃・耐環境仕様が必須で代替品が限られ、同社のニッチシェアが価格維持力を支えます。
経路防衛装備品の新規調達増・既存装備の維持更新(高信頼性電源ユニット需要の持続増)耐衝撃・耐環境仕様の希少性(代替困難でニッチシェア維持)受注拡大と単価維持の両立(長期安定収益化)

打撃を受ける可能性がある企業

安川電機6506

根拠安川電機は中国向け・自動車向けの汎用FAシステムで収益を支えてきましたが、防衛調達の仕様厳格化が進むほど汎用品の転用余地が縮小します。防衛調達先の集約化・高付加価値仕様品への移行が進む局面では、標準品の需要が相対的に縮小し、同社の主力製品群が恩恵を受けにくい構造となります。中国向け需要の地政学的リスクとFA標準品の防衛転用限界が重なり、売上成長の逆風となります。
経路防衛調達の仕様厳格化・高付加価値品シフト(汎用FAシステムの転用余地縮小)中国向け民需の地政学リスク(主要市場の需要不安定化)標準品の相対需要縮小(売上成長の上値抑制)

ファナック6954

根拠ファナックは工作機械向けCNCや産業用ロボットで高いシェアを持ちますが、収益の柱は民間製造業向け汎用製品です。防衛調達は厳密な仕様要件があり、汎用CNCシステムをそのまま防衛ラインに転用できる領域は限られています。地政学リスクの高まりが中国向け設備投資の抑制につながり、同社の主力市場である民間FA需要の回復が遅れるリスクがあります。
経路防衛調達の仕様厳格化(汎用CNC・ロボットの防衛転用限界)地政学リスク拡大(中国向け設備投資抑制)民間FA需要の回復遅延(主力市場での売上成長鈍化)

オムロン6645

根拠オムロンは制御機器・センサーで民間製造業向けに幅広い製品を供給していますが、防衛向けの特殊仕様対応製品ラインは限られています。防衛調達の集約化が進む局面では、汎用制御機器の需要が相対的に縮小し、同社の主力製品群への優先度が下がります。中国市場依存の民需が地政学リスクにさらされる一方、防衛特需の直接的な恩恵を受けにくい製品構成となっています。
経路防衛調達の集約化・特殊仕様品シフト(汎用制御機器の優先度低下)中国向け民需の地政学リスク(主要市場の不安定化)主力製品の相対需要縮小(収益成長の上値抑制)

キーエンス6861

根拠キーエンスは高付加価値センサー・計測機器で国内外の製造業に供給していますが、収益の大部分は自動車・電機などの民間製造業向けです。防衛調達の仕様要件は汎用センサーの転用を制限し、キーエンスの製品ラインが防衛特需を直接取り込む構造は限られています。調達先の集約化が進むほど、汎用高付加価値品から防衛仕様品への代替が進み、相対的な需要が縮小します。
経路防衛調達の仕様厳格化(汎用センサー・計測機器の転用制限)民間製造業向け主力市場の地政学リスク(中国・自動車向け需要の不安定化)防衛特需の直接取り込み困難(相対的需要縮小)

TOWA6315

根拠TOWAは半導体パッケージング装置を主力とし、民間半導体メーカー向けに収益を依存しています。防衛特需が本格化する局面でも、半導体製造装置の防衛向け直接転用は仕様面・調達ルート面で限定的です。政府の調達絞り込みや民間設備投資の優先度変化が、同社の主力顧客である半導体メーカーの設備投資計画に影響し、受注サイクルに不確実性が生じます。
経路防衛調達拡大(民間半導体向け設備投資の優先度変化)TOWAの主力顧客の投資計画不確実性(防衛仕様品への直接転用困難)受注サイクルの不安定化(売上成長の上値抑制)

IHI7013

根拠IHIの民間航空エンジン部門は、防衛費増額に伴う開発リソース配分の圧力にさらされます。官民双方の需要ピークが重なる局面では、生産能力の優先度が防衛向け推進系に傾き、民間航空エンジンの開発・納期スケジュールに影響が生じます。エンジニアリングリソースの配分変化が民間部門の競争力維持コストを引き上げます。
経路防衛推進系の優先度上昇(開発リソースの防衛側シフト)民間航空エンジン部門のリソース制約(開発・納期スケジュールへの影響)民間部門の競争力維持コスト増(マージン圧迫)

日本精工6471

根拠日本精工はベアリングを主力とし、自動車・産業機械向けに広く供給していますが、防衛向けの特殊仕様対応製品ラインは製品全体の一部に留まります。防衛調達の集約化が進むほど、特殊仕様対応ができない標準品・汎用品のラインが価格競争にさらされます。主力の自動車向け需要が地政学リスクと電動化シフトの影響を受ける一方、防衛特需の直接取り込み余地は限られています。
経路防衛調達の特殊仕様品シフト(汎用ベアリングの防衛転用限界)自動車向け主力市場の構造変化(電動化シフト・地政学リスク)標準品の価格競争激化(マージン低下圧力)

ジェイテクト6473

根拠ジェイテクトはステアリングシステムや軸受けを主力とし、自動車向けへの依存度が高い部品メーカーです。防衛向けの特殊仕様対応ができない製品ラインは、調達先の集約化が進む局面で価格競争にさらされます。主力の自動車向け需要が地政学リスクと電動化シフトの影響を受ける構造のなかで、防衛特需を取り込む製品基盤が限られています。
経路防衛調達の集約化(特殊仕様未対応製品の価格競争激化)自動車向け主力市場の需要不安定化(電動化シフト・地政学リスク)汎用部品の相対需要縮小(収益圧迫)

富士通6702

根拠富士通はシステムインテグレーション側で防衛案件への関与がありますが、売上の大部分を占める汎用IT部門は政府調達の絞り込みの影響を受けます。防衛調達の集約化・専門化が進む局面では、汎用ITサービスへの予算配分が縮小し、一般政府向けSIの受注単価・量に下押し圧力が生じます。防衛特化の高仕様案件を取り込む体制整備には追加投資が必要で、短期的な収益への寄与は限定的となります。
経路政府調達の絞り込み・防衛特化シフト(汎用IT部門への予算配分縮小)一般政府向けSI受注の単価・量への下押し圧力(競争激化)防衛特化体制整備の追加投資負担(短期的な収益寄与の限定化)

NTN6472

根拠NTNはベアリング・ドライブシャフトを主力とし、自動車・産業機械向けへの依存度が高い部品メーカーです。防衛向けの特殊仕様対応ができない製品ラインは、調達先の集約化が進む局面で価格競争にさらされます。主力市場である自動車向け需要が電動化シフトと地政学リスクの影響を受ける一方、防衛特需を直接取り込む製品構成が限られており、相対的な需要縮小が続きます。
経路防衛調達の特殊仕様品シフト(汎用ベアリング・ドライブシャフトの防衛転用限界)自動車向け主力市場の構造変化(電動化・地政学リスク)標準品の価格競争激化(マージン低下・相対需要縮小)
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かぶてぃー(Chainvest編集部)

マーケター・個人開発者 / 投資歴: 2024年〜新NISAで個別株開始

ニュース起点の銘柄発見に課題を感じChainvestを開発。 自腹で実験ファンドを運用し、結果を全公開中。

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